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“新しい印刷様式” を示すJP2022・印刷DX展開催へ~5月19・20日/インテックス大阪

JP産業展協会(作道孝行会長)主催による「JP2022・印刷DX展」が5月19日(木)・20日(金)の2日間、“ワークフローの最適化が拓く新しい印刷様式”をテーマに、大阪市住之江区のインテックス大阪5号館で開催される。

2017年から2020年までの4年間にわたり、「JP・ICTと印刷展」の展示会名称で開催された同展示会は、2021年度から作道孝行氏(作道印刷株式会社代表取締役)が同協会会長に就任すると同時に、「JP・印刷DX展」へと展示会名称が変更され、今回で2回目の開催となる。

現在、印刷産業を取り巻く需要構造は電子メディアの台頭をはじめ、天然資源の枯渇や環境対策における紙の削減などの影響を受け、厳しい状況が続いている。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活様式が大きく変わり、さらに苦境に追い込まれている状況にある。そうした環境下にあって、今回の災禍を機に社会全般におけるDX(デジタルトランス フォーメーション)が急速に進むことが予測され、印刷産業でも生産工程などの再編を余儀なくされるようになってきた。

近い将来、多くの日本企業では、既存のITシステムの老朽化・ブラックボックス化、業務の縦割りなどが進み、事業の拡大や企業の成長が大きく妨げられる問題「2025年の崖」に直面することが予測されている。これらの課題を回避するために、多くの企業がDXへの取り組みを始めているが、その恩恵を享受することは簡単ではない。

そうした状況を鑑み、大阪で毎年開催される「JP展」は、2021年より「印刷DX展」という名称を付加させ、印刷産業においてDXをどのように捉えれば良いのかを出展社と来場者の情報交換によって考察する場となるように展示会構成を変革することとなった。

JPとして46回目の開催を迎え、「印刷DX展」の名称で2回目の開催となる今回は「ワークフローの最適化が拓く新しい印刷様式」を開催テーマに掲げ、印刷産業が直面する課題の解決を目指す。

出展規模は前回を上回る67社・162小間(4月25日現在)。会場ではDXへの対応策、環境・SDGsへの取り組み、付加価値創造、生産性向上による収益確保、需要を創出する販促アイデア製品など、出展各社から次の成長に向けた製品・サービスが一堂に披露される。 また、今回は産業用ロボットの販売を手掛ける3社から配送ロボットや生産の合理化を実現する製品が紹介され、注目を集めると見られる。

会場図(4月25日現在/クリックすると図が拡大します)

印刷業のDXを示す

経済産業省が2018年12月に発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXの定義として「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と示されている。DXとは、データとデジタル技術によって商品やビジネス、業務、企業文化などの変革を成し遂げるものであり、その目的は競争力の維持・獲得・強化を果たすことにある。

 今後、デジタル化の進展に拍車がかかることは間違いなく、その勢いは新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活様式や働き方改革が起こったことで、より加速することが予測されている。さらに、急激な少子高齢化に直面しているわが国では、労働力人口がすでに減少に転じており、2007年以降には団塊の世代が定年を迎えることで、さらなる減少が見込まれている。団塊の世代の引退に加え、バブル崩壊後の長期不況期において若年労働力を十分に採用してこなかったことなどにより、今後は技能の継承や人材確保のための対応を迫られる企業も増加することが予想される。

各企業がこうした問題に対応するためには、誰もが意欲と能力に応じて働ける職場環境を整備することが重要となる。こうした職場環境の整備により、有能な人材の職場への定着や新たな人材確保を容易にし、企業の競争力を高めることも期待できる。

「多様就業型ワークシェアリング」の推進も、そのための取り組みのひとつとなる。働きやすい職場環境を整備し、良質の人材を確保するため、今後は企業における人事労務管理全般についての見直しを行う上でもDXへの対応が急務となる。

昨年8月に開催された「JP2021・印刷DX展」でも、出展社からDXに関連する製品・サービスが発表され、スモールスタートで取り組みが始まられる手法が披露された。奇しくも、新型コロナ感染拡大の影響で2021年の開催が約2ヵ月延期され、8月に開催された。それから約9ヵ月後の開催となる「JP2022・印刷DX展」では、前回開催時よりも進展した形で出展社からデジタル技術の利用による供給過剰・低生産性からの脱却、新たな価値創造と生産効率の改革を目指す最新技術とソリューションが提供され、印刷産業が直面する課題解決策が来場者に紹介される。

セミナーや会場ツアーなどを実施へ

会期中には、展示会場内で「出展社セミナー」も実施され、DXの本来の意味や目指していること、企業はどのようにDXを推進すべきかなどについて、ホリゾン・ジャパン株式会社、コニカミノルタジャパン株式会社、富士フイルムグロ―バルグラフィックシステムズ株式会社、リコージャパン株式会社の4社が各社の戦略について解説する。

このほかにも、今年2月に印刷物の受注からデジタル印刷・後加工・配送に至るまでの製造工程の自動化を実現することを目指して発足された「印刷革新会」の岡本泰氏(株式会社クイックス社長)、佐川正純氏(佐川印刷株式会社社長)、岸昌洋氏(株式会社正文舎社長)による「印刷工程の自動化構想について」(仮称)のパネルディスカッションも実施される。 

2021年も好評を博した「会場見学ツアー」は、今回は「JP2022完全攻略ツアー」と題して実施される(先着10名)。今回もデジタル印刷ビジネスを中心とした専門コンサルティングファームである株式会社バリューマシーンインターナショナルの宮本泰夫副社長をツアーガイドに、出展社の出展概要やDX関連の情報が紐解れ、来場者にとっては今後の経営計画におけるヒントを掴む機会となる。

 さらに販促アイデア協議会(瀧本正明会長)の協力を得て今回で4回目となる「販促アイデアグランプリ2022」も実施される。参加企業からは印刷技術を核として開発された販促アイデア製品をはじめ、コロナ対策製品、多様化する情報発信手段に対応するアプリケーション、デジタルコンテンツなどが披露され、来場者に競争上の優位性を確立させていく手段について情報交換が行われる。

【JP2022・印刷DX展 開催概要】

・名称=「JP2022・印刷DX展」

・会期=5月19日(木)・20日(金)、19日は午前10時~午後5時、20日は午前9時30分~午後4時

・会場=インテックス大阪5号館(大阪市住之江区南港北1-5-202)

・開催テーマ=「ワークフローの最適化が拓く新しい印刷様式」

・主催=JP産業展協会(大阪府印刷工業組合/近畿グラフィックコミュニケーションズ工業組合/大阪府グラフィックサービス協同組合/大阪府製本工業組合/近畿印刷産業機材協同組合/近畿印刷工業会で構成)

・後援=大阪府/大阪市/大阪商工会議所/大阪府中小企業団体中央会/全日本印刷工業組合連合会/日本製紙連合会/日本洋紙板紙卸商業組合/公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会

・協力=公益社団法人日本印刷技術協会/大阪印刷関連団体協議会/大阪府ものづくり振興協会/販促アイデア協議会

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