山陽製紙 蓋味噌を活用した再生紙「八丁味噌紙」を開発 まるや八丁味噌と岡田印刷の共同企画で実現した味噌の香りが漂うオーダーメイド混抄紙

再生紙製造を得意とする山陽製紙株式会社は、愛知県岡崎市にて八丁味噌を製造する株式会社まるや八丁味噌、ならびに株式会社岡田印刷と共同で、食品残渣をアップサイクルした混抄紙「八丁味噌紙」の製作に成功した。

同製品は、八丁味噌製造過程で発生する「蓋味噌」と呼ばれる規格外素材を有効活用したオーダーメイドの再生紙である。山陽製紙の混抄技術をもとに、古紙に蓋味噌を混ぜ込むことで、独特の色味と香りを持つ紙に仕上げられた。

共同開発の発端は、まるや八丁味噌が廃棄される「蓋味噌」の有効利用を模索していたことに始まる。そこに、食料残渣などを紙へと再生するアップサイクルに取り組む岡田印刷が加わり「八丁味噌紙」の製作に至った。

仕上がった八丁味噌紙は、味噌特有のあたたかみある風合いを持ち、わずかに八丁味噌の香りが漂う。食材の再利用という話題性に加え、視覚・嗅覚に訴えるユニークな質感は、名刺やカード、パッケージ資材といった販促用途において高い訴求力を発揮する。

山陽製紙はこれまでも、コーヒーかすや茶殻、野菜の繊維などを抄き込んだオーダーメイド再生紙の製作に実績がある。

伝統産業と紙加工技術が融合することで生まれた「八丁味噌紙」は、単なる再生紙の枠を超えた新たな価値提案として注目される。再生素材を活用したモノづくりが今後さらに注目される中で、同製品のような「物語を伝える紙」は、サステナブルなブランド発信の有力なツールとなり得る。

▶山陽製紙オーダーメイド再生紙について:https://www.sanyo-paper.co.jp/ordermade

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