山櫻 越前和紙を使った『人間国宝扇子』を発売
株式会社 山櫻は、人間国宝の九代 岩野市兵衛氏による越前生漉(きずき)奉書を使用した扇子『人間国宝扇子』を発売した。
越前生漉奉書とは、福井県越前市で漉いている越前和紙のことで、原料は古くから和紙の材料として使われている楮(こうぞ)を100%使用。1500年変わらぬ伝統的な技法により、地元の澄んだ水を使い、薬品や機械を一切使わずに1枚1枚手作業で漉きあげていくもの。
この越前生漉奉書は、版画用紙として使用しても約300回の刷りに耐え、紙が伸縮しないことから、浮世絵木版、現代版画の分野においても多くの愛好家がおり、パブロ・ピカソも先代の八代 岩野市兵衛の漉いた紙を版画用紙として愛用していたといわれている。また長い時を経ても劣化しない確かな品質が評価され、パリ万国博覧会で金賞を受賞したこともあるほか、1919年にはヴェルサイユ条約の調印用紙としても使われている。
今回発売された『人間国宝扇子』は、国指定重要無形文化財の認定を受けた越前奉書の保持者である九代 岩野市兵衛氏の手による越前生漉奉書を採用した扇子。紙は扇子用に特別に厚く漉いているので、通常よりも強さとしなやかさが増している。
渋い色あいの唐木骨と、さわやかな色の白竹骨の2種類をラインアップ。扇子と桐箱、商品の紹介しおりをセットにして販売。なお、白竹骨は限定20本の販売。標準価格は10,800円(送料込)。
なお山櫻では、越前生漉奉書に活版印刷で名入れするこだわりの名刺「人間国宝名刺」も 取扱っている。