山形・文昇堂印刷 事業停止、自己破産申請へ(新型コロナウイルス関連倒産)
山形市の株式会社 文昇堂印刷は、5月6日付で事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入った。負債は約1億2000万円だが、今後変動する可能性がある。
同社は、1961年8月に設立した印刷業者。東北でいち早くシール・ラベルの印刷機を導入し、事務用印刷、商業印刷、シール・ラベル印刷を3本柱として事業を展開。商業印刷、事務用印刷、シール・ラベル・ステッカーなどの印刷に加え、近年は電子メニューの作成も行っていた。
しかし、設備能力やマンパワーの限りがあり、新規取引では小口案件が多数を占めるなかで新型コロナウイルス感染拡大の影響で受注が激減した。50年代のデパートや商店の包装紙のトメや値札、スタンプ等に使用されていたラベル印刷(活版印刷)を復刻する商機創出にも取り組んだが、売上高は減少。業績回復の見通しが立たず、5月10日より事業と従業員、設備を第三者に譲渡。同社としては5月9日付で事業を停止する旨を取引先に通知し、今回の事態となった。