小森コーポレーション 創業100周記念式典開催、顧客感動創造企業をさらに目指して~長期ビジョン近く発表
株式会社小森コーポレーションは4月6日、東京都港区のグランドニッコー東京台場で「株式会社小森コーポレーション創業100周年記念式典」を挙行した。また併せてユーザー会「小森会30周年」を祝った。式典で小森善治取締役会長は「顧客に感動を提供する“顧客感動企業”を目指してきた。知恵を出し合ってお客様と共に成長していく」と100周年の所信を述べ、持田訓代表取締役社長は「印刷を通して社会と文化を支え、プリントテクノロジーで社会に貢献する」と100周年のメッセージを表明した。記念式典に先立って開催された小森会世話人総会では113名が参加し、今期の事業方針等を決定した。
小森コーポレーション創業100周年記念式典は来賓に一般社団法人日本印刷産業連合会の北島義斉会長、経済産業省製造産業局の安田篤課長、独立行政法人国立印刷局の大津俊哉理事長、全日本印刷工業組合連合会の滝澤光正会長、一般社団法人日本印刷産業連合会の小澤典由専務理事をはじめ業界団体代表を迎えて、関連機材商社、小森コーポレーションの社員を含め300人が出席して100周年を祝った。
冒頭、1923年に本所区北新町(現、墨田区東駒形)で小森機械製作所が創業してから今日の歩みを紹介した後、小森善治取締役会長が創業100周年の式辞を述べた。小森会長は「100周年式典を多くの皆様と迎えることができ、心から感謝したい。この間、東日本大震災など多くの困難に直面してきた。私は1962年に入社以来、社業の発展のために社員と苦楽を共にしてきた。海外展開においてはIPEXやdrupaで海外メーカーに対抗するために高品質の印刷機を開発して技術力を高めてきた。オイルショックの時は社員とともに工場の清掃や草取りをした。そんな危機の時に全国のお客様から印刷機の注文を多く頂き、苦しい中でも印刷機の製造を続けることができた。1983年にKOMORIは東証二部、翌年に一部上場を果たし、優秀な社員と資金を安定的確保した。1990年にはお客様の意見交換の場として小森会が発足し、30周年の節目を迎えることができた。1993年に四代目社長に就任した私は顧客に感動を提供する“顧客Kando”を企業理念に掲げてきた。そして本日100周年式典を迎えることができた。苦しい時こそ知恵を出し合って成長することができると確信している」と創業100周年の挨拶を述べた。
続いて来賓から日本印刷産業連合会の北島義斉会長と経済産業省製造産業局の安田篤課長が祝辞を述べた。北島会長は「印刷産業機械業界のリーダーとして変化を先取りして社会に貢献されてきた。コスト削減や消費電力の削減、スマートファクトリー、環境問題など社会的課題の中で、業界のさらなる発展に貢献されることを期待したい」と称えた。安田課長は「印刷産業機械におけるオフセット印刷機をグローバル展開し、世界36ヵ国に紙幣印刷機を提供され、世界に貢献されている。印刷産業機械はデータ活用や新たなサプライチェーン、データ活用など幅広い分野で印刷機械産業の意義を高めていただきたい」と期待した。
最後に持田訓代表取締役社長が登壇し、KOMORIの今後の役割と重要課題を表明した。持田社長は「グローバル時代を生き抜き、あらゆるステークホルダーに共鳴していただき、社会に貢献する。顧客感動創造企業の実現を目指すKOMORIは、常にお客様の声に耳を傾け、環境の変化に世界中の印刷会社が対応するために必要な革新的な技術・サービスの開発・提供に努めていく」と100周年から次代に向けた取り組みを表明し、式典を終了した。引き続き祝宴が催され、小森会の小松義彦会長が「世界にはばたくKOMORIとして100周年の祝杯を挙げたい」と乾杯の発声を行った。
小森コーポレーション 100年の歩み
1923
小森機械製作所を本所区北新町(現、墨田区東駒形)に創業
1925
石版ロール印刷機を開発
1928
四六半裁手差オフセット印刷機を開発
1946
「株式会社小森印刷機械製作所」を墨田区吾妻橋に設立(現在本社)
大阪出張所(現在大阪支社、大阪市)開設
1957
小森初の4色機 四六全判オフセット印刷機「UM-4C」を開発
1961
紙幣印刷用ドライオフセット印刷機を印刷局に納入
1967
取手工場竣工
1968
業界初の「小森印刷スクール」開校
1975
サービスセンター設立
1976
「小森印刷機械株式会社」に商号変更
1978
関宿工場竣工
1982
コモリ・アメリカ・コーポレーション(シカゴ市郊外)設立
1983
東京証券取引所市場第2部に上場
1984
東京証券取引所市場第1部へ指定替
コモリ・ヨーロッパ・リミテッド(現在コモリ・UKリミテッド、英国リーズ市)設立
1986
小型枚葉機専門の小森山形マシナリー株式会社新工場完成し、中型機専門の取手工場、大型枚葉機・オフセット輪転機・特殊印刷機の関宿工場の3工場体制確立
1988
コモリ・ヨーロッパ・B.V.(現在コモリ・インターナショナル(ヨーロッパ)B.V.、オランダ・マーセン市)設立
証券用印刷機の輸出第1号機を韓国造幣公社に納入
1989
コモリ・シャンボン・SA(フランス・オルレアン市)設立
1990
「株式会社小森コーポレーション」に商号変更、これに伴いKOMORIグループ各社(海外現地法人を除く)も商号を変更
東京・大阪両証券取引所貸借銘柄に認定される
世界初の完全自動刷版交換装置APCを開発
1991
新本社ビル竣工
APC開発により日本印刷学会技術賞と機械振興協会賞を受賞
1992
テクノサービスセンター竣工
1996
インド中央銀行に紙幣製造一貫プラント納入開始
1997
コモリKHSシステムを開発
菊全判多色両面オフセット印刷機「リスロン40SP」を開発
1998
コモリ・ホンコン・リミテッド設立
1999
リスロンシリーズの販売台数10,000台突破
ナイジェリア造幣公社に紙幣製造一貫プラント納入開始
2001
パーツサービスセンター竣工
東芝機械(株)より、オフセット輪転印刷機(書籍・出版用を含む)の事業(開発・生産・販売・サービス)を譲り受ける
2002
つくばプラント第1期工事完了
ハイテクノロジーマシン「リスロンS40」開発
2003
全生産拠点・テクノサービスセンターでISO14001の認証取得完了
2004
第55回全国カレンダー展で「内閣総理大臣賞」受賞
B縦半裁オフセット輪転機「システム35S」を開発
2005
つくばプラント第2期工事完了し、取手プラントを全面統合
2006
コモリ・プリンティング・マシーン・シンセン・リミテッド設立
2007
IGAS2007で四六全判オフセット枚葉印刷機「リスロンS44」を発表
2008
drupa2008で菊全判オフセット枚葉印刷機「リスロンSX40」を発表
2009
つくばプラント第3期工事が完了、 関宿プラントを総合するとともに「小森グラフィックテクノロジーセンター」を拡張スペース内にオープン
2010
IPEX2010で菊半裁寸延オフセット枚葉印刷機「エンスロン29」を発表
2011
「H-UV」日本印刷学会技術賞を受賞
菊全判オフセット枚葉印刷機「リスロンG40」を発表
2012
A全判オフセット枚葉印刷機「リスロンA37」を開発
コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社とグローバル販売契約を締結
ランダコーポレーションとナノグラフィに関するグローバル戦略的提携に同意
小森機械(南通)有限公司設立
プリンテッドエレクトロニクス(PE)向けグラビアオフセット印刷機「PEPIO F20」「PEPIO R20」を発表
菊全判多色両面オフセット枚葉印刷機「リスロンGX40RP」開発
2013
A全判反転機構付オフセット枚葉印刷機「リスロンA37P」開発
2014
経済産業省が発表した「グローバルニッチトップ企業100選」に選定
東海ホールディングス株式会社(現「株式会社セリアコーポレーション」と現「株式会社セリアエンジニアリング」)の株式取得(子会社化)
コモリ・サウスイースト・アジア設立
コモリ・マレーシア設立
菊全判オフセット枚葉印刷機「リスロンGX40」開発
2015
菊全ワイド/四六全ワイドプログラム油圧クランプ大型断裁機「Apressia CT115/CT137」発売
29インチ枚葉UVインクジェットデジタルプリンティングシステム「Impremia IS29」、菊全判寸延自動平盤打抜機「Apressia DC105」発表
2016
菊半裁/菊半裁寸延オフセット枚葉印刷機「リスロンG26/G29」発表、「H-UV」シリーズに「H-UV L(LED)」ラインアップ
2017
四六全判多色両面オフセット枚葉印刷機「リスロンGX44RP」開発
菊全ワイド/四六全ワイドプログラム油圧クランプ大型断裁システム「アプリシアCTX115/CTX132」発表
ハイパフォーマンス ブランキング システム「アプリシアMB110E」発表
2018
インドにコモリ・インディア・プライベート・リミテッド設立
A全判反転機構付8色オフセット枚葉印刷機「リスロンG37P」発表
「CURRENCY NV32」国際通貨協会(IACA)最優秀技術賞を受賞
2019
中国・深圳に小森(深圳)印刷技術有限公司設立
菊全判反転機構付オフセット枚葉印刷機「リスロンGX40P」開発
2020
MBO社および関連子会社の株式譲渡(子会社化)
経済産業省が発表した「グローバルニッチトップ企業100選」に選定
オフセット枚葉印刷機「リスロンGX/Gアドバンス」シリーズ発表
2021
UV搭載菊全判両面オフセット枚葉印刷機「リスロンGX40RP」、PRINTING United Alliance インターテック技術賞2020を受賞