小林 環境にやさしく、地球にやさしい「竹紙」を原材料にしたロール紙の販売開始へ
紙加工メーカーの株式会社 小林は、12月初旬より、日本産の竹を原材料とした環境に配慮したサーマル(感熱)ロール紙の発売を開始する。 これに伴い、10月から受注受付を開始している。
「竹」はタケノコが食用されていただけでなく、かつては籠や垣根、骨組みなど日本の生活に欠かせない素材・材料として愛用されてきた。 しかし生活様式の変化やプラスチックなど代替品の増加、 生産者の高齢化などさまざまな要因から、 日常で竹製品を見かける機会は大幅に減少している。
一方で、放置された竹林は隣接する森林や里山に浸食し生態系を崩す要因とも言われるようになっている。そのため現在のように竹を資源として持続的かつ大量に使用できる仕組みがない中、放置竹林問題は大きな問題になりつつある。
この度、小林が製品化を発表したサーマルロール紙は、 買い物やレストランで支払いをした時に受け取るレシートの多くが該当する。あるいは、ラーメン屋やファストフードなど食券機で事前購入した時の食券、 映画や美術館などで機械から発券されるチケット、バスの整理券や電車の切符など多種多少で、さまざまな種類があり、日常的に目にしているものである。
日本で唯一の竹紙製造に取り組んでいるのが中越パルプ工業株式会社である。中越パルプ工業はもともと、社会問題になりつつある放置竹問題として、生態系保全、地域経済への貢献に向き合う中、竹紙製造にたどり着いたという経緯がある。その取り組みに感銘を受け、「混抄紙(こんしょうし)」と呼ばれる木材パルプに他の素材を混ぜた紙で小林ができることはないか、中越パルプ工業の竹紙を使ったサーマルロール紙を通じて社会貢献できないか、という想いから、今回のサーマルロール紙開発がスタートした。
現状、竹紙を使った製品は封筒や名刺などへの使用が主流だが、サーマルロール紙はレシートや順番券などより多くの人が日常的に目にするものであるため、より広く世の中に竹紙や、日本の放置竹林などの竹問題を考えるきっかけになることを願っての取り組みでもある。
株式会社 小林 https://www.kabukoba.co.jp/