富士紙器印刷 ニスコーター、LED-UV搭載A全判4色機RMGT940ST-4を導入

近藤哲史会長
近藤哲史会長

神奈川県横浜市の富士紙器印刷は昨年12月、リョービMHIグラフィックテクノロジー(RMGT)のチェンバー式ニスコーター、LED-UV搭載のA全判4色機940ST-4を導入した。

昭和5年に創業し、来年90周年を迎える同社は、昭和34年に法人化し、印刷紙器や貼箱の企画から製造、販売を手掛けてきた。昨年、本社・工場を現在の横浜市港北区に移転したのを機に設備を一新した。

A全判4色機940ST-4の導入は小ロット多品種対応と、高付加価値印刷による新たな顧客開拓が狙いだった。同社が導入したA全判4色機はインラインニスコーターとLED-UV乾燥装置を搭載。ニスコーターは水性とLED-UVニス兼用タイプを採用し、高付加価値の表面加工による新たな市場開拓を狙う。また、K判サイズまでの小ロット多品種に対応。これまで油性印刷機を使用していたが、LED-UV乾燥装置を搭載することで多品種・小ロット向けの即乾印刷を可能にした。

P3200607 用紙厚は0.04㎜から0.6㎜、450gまで対応。品質欠陥検査や濃度自動追従機能付き「PQS-D(I+C)」を採用することでインキツボの開閉の自動化などオペレーターの負担を軽減する。給紙部にはキーエンス製のナンバリング装置を設置。絵柄の隅にナンバリングすることで、欠陥検査で何枚目のどの部分に欠陥があるか分かりやすくする。ニスコーターの胴は通常、印刷胴よりも小さく、ローラーが使用しない時もそのままの状態で設置されている。今回導入したチャンバー式ニスコーターは、ボタンを押すだけで、ローラーが上下する仕組みになっており、使用しない時は上部にローラーを持ち上げて、通常の印刷に影響を与えないようにしている。同社は印刷機だけでなく昨年、コダックの「ACHIEVE T400」も導入。刷版を内製化し、無処理版の「KODAK SONORA CX」を使用し、環境対応を強化している。

RMGTのA全判4色機の導入により、水性ニス、LED-UVニスによる表面加工や疑似エンボスニスによる表面加工などの提案を行っていくという。

富士紙器印刷の近藤哲史取締役会長は「必要とされ、信頼される会社になるには固定概念を捨てなければならない。社員とともに幸せになれる会社を目指している」と導入機を活用した新たな取り組みに期待を寄せる。

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