富士フイルムBI プロダクションカラープリンターRevoria用特殊トナーとして、接着機能を持つ「圧着トナー」新登場

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(富士フイルムBI)は、ハイエンドプロ市場向けプロダクションカラープリンター「Revoria Press(TM) PC1120」用の特殊トナーとして、接着機能を持つ「圧着トナー」を、国内で5月16日から発売する。これにより、デジタル印刷の小ロット生産や可変(バリアブル)印刷といった特性を生かしながら、販促目的で使用される圧着はがきなどの制作工程の効率化に寄与する。

「圧着トナー」は、同社独自のトナー製法技術であるEA製法により、内部に自社開発の圧力応答性樹脂を微細に分散させた無色透明のトナー。高い圧力を加えた時にのみ樹脂が軟化し、用紙と用紙を接着する機能を発揮する。

DMとして活用される圧着はがきのイメージ(Z折り)

「Revoria Press(TM) PC1120」は、シアン・マゼンダ・イエロー・ブラック(CMYK)トナーに加え、最大2種類の特殊トナーを搭載できるプロダクションプリンター。「圧着トナー」を搭載した「Revoria Press(TM) PC1120」でプリントした用紙の印字面同士を重ねて、圧着機で高い圧力と熱を加えることで、圧力応答性樹脂が反応してトナーが糊のような機能を発揮し、用紙同士を接着することができる。なお圧着機としては、後加工機メーカーが提供する汎用の圧着機が利用できる(利用にあたって事前の検証が必要)。
CMYKトナーによる画像や文字の印刷と、「圧着トナー」による接着材塗布がワンパスで完結し、従来は印刷後に別工程で行っていた糊付け工程が削減できる。印刷データ上で接着箇所を自在に指定できるほか、用紙同士の接着力の強弱をトナーの量や圧力の強さにより調整することも可能。

「圧着トナー」は圧着はがきのような用紙同士を接着する印刷物を小ロット生産・可変印刷する用途に適している。通常のはがきと同じ郵送料で2倍以上の情報を掲載できる圧着はがきは、企業が販促のために顧客へ送付するダイレクトメール(DM)として広く活用されている。デジタル印刷の特性と「圧着トナー」の機能を組み合わせて用いることで、受け取る人の嗜好や興味に合わせた内容の圧着はがきやA4サイズの圧着DMなどを、短納期で必要な分だけ効率的に制作できるようになる。これによりDMの活用機会を広げ、企業と顧客の効果的なコミュニケーションを実現する。
なお同社は、後加工機メーカーと協業し、印刷から圧着までに必要な後加工の機器をインラインで接続する自動化ラインのシステム開発を顧客と共に進めていく。印刷後の断裁や折り、圧着にいたるまでの多岐に渡る工程を人手を介さず自動化することで、印刷生産プロセス全体の効率化を目指す。

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