富士フイルムは、版面の視認性や機上現像性、耐刷性、耐キズ性などを大幅に向上させ、現場での使いやすさを追求した完全無処理CTP プレート『SUPERIA ZX』を発売した。新製品は、昨年国内先行発売した『SUPERIA ZD-Ⅲ』の性能アップを図り、製品名をグローバルブランド『SUPERIA ZX』に統一したもの。同社では新製品の市場導入で国内のCTPの無処理科をさらに促進し、オフセット印刷分野の工程改善・環境負荷低減に貢献する。

また、印刷物の小ロット・多品種化が進む中、オフセット印刷の現場では、刷版工程も含めた付帯作業時間をいかに削減し生産効率を高めるかが重要な課題になっており、その観点からも、CTP の無処理化は有効な工程改革の一つとして注目されている。

富士フイルムでは、2006 年に世界初となる機上現像方式の完全無処理CTP プレートの販売を開始して以来、長年にわたり、刷り出しの安定性や印刷適性、耐刷性など、さまざまな改良を重ねながら無処理プレートを進化させ続けてきた。

今回発売した『SUPERIA ZX』は、従来の『SUPERIA Z シリーズ』の優れた基本性能を継承しながら、4つの新技術の投入により、版面の視認性や機上現像性（刷り出しの早さ）、耐刷性、耐キズ汚れ性などが一段と向上。これにより、プレートのハンドリングや刷り出し時の作業効率向上、印刷品質の安定化などが可能になる。

【SUPERIA ZX の主な特長】

露光後の画像視認性が向上

感光層に新たな発色剤を加えることで、露光後の画像コントラストを高める『High Color Generation Technology』を新たに採用。これにより画像視認性が一段と向上した。版面の確認が容易になることで、印刷機へのプレート取り付けミスが削減でき、印刷オペレーターの安心感が高まる。

より迅速な刷り出しが可能に

新開発の『Print Control Layer Technology』を導入。プレート表面に湿し水・インキによる機上現像の速度を制御するまったく新しい機能保護層を与えることにより、圧倒的な刷り出しの早さと現像安定性を実現するとともに現像カスの排出性もさらに向上。これにより、有処理プレートと同様の運用が可能になる。

耐刷性が向上し多様な印刷条件に対応

富士フイルム独自の『マルチグレイン砂目』（多段構造）を無処理プレートの特性に合わせて発展させた最新の砂目をベースに、レーザー露光時の硬膜化効率を高める新たなフォトポリマー技術『Extreme Adhesive Bonding Technology』を導入。これにより、露光部の膜と支持体の密着性が向上し、さまざまな印刷条件下で、有処理プレートと同等以上の文字・画像品質が安定的に得られる。

定評ある耐キズ汚れ性がさらに向上

従来の保護層の機能に加え、新開発の『Processless Gumming Technology』と、砂目表面の強度アップにより、印刷機にセットするまでのハンドリングキズなどを抑制。万が一、印刷前にキズがついた場合でも、アルミ表面の親水化によりインキ付着を抑え、印刷品質への影響を低減する。