富士フイルム 新聞用完全無処理型印刷版の開発でGSC賞の経済大臣賞受賞

富士フイルムは、「新聞用完全無処理型印刷版の開発」で、公益社団法人新化学技術推進協会が主催する第19回「グリーン・サスティナブル ケミストリー(GSC)賞経済産業大臣賞」を受賞した。新聞用完全無処理型印刷版の開発により、従来現像工程で使用していた化学薬品、水、電気、廃液をゼロ化したことに加え、包装材料の大幅な削減を実現し、新聞印刷業界の課題である環境負荷低減に貢献したことが高く評価された。

GSC賞は、人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学“グリーン・サスティナブル ケミストリー”の推進に貢献した企業や個人の業績を表彰するもの。経済産業大臣賞は産業技術の発展に著しく貢献した業績を対象としている。

新聞用完全無処理型印刷版「SUPERIA ZN-Ⅱ」は、プレート裏面の形状を制御する独自技術によって、従来CTPプレートの輸送・積み替え時のキズ発生などを防止するために使用されていた表面保護紙(合紙)を不要とし、包装材料を94%削減。また、新聞社や印刷会社で使用された富士フイルム製のCTPプレートを回収し、主原材料であるアルミニウムを再利用して同品質のCTPプレートを製造するクローズドループ・リサイクル「PLATE to PLATE」システムを確立しており、資源循環を促進し、サプライチェーン全体での環境負荷低減を図った。

「SUPERIA ZN-Ⅱ」の使用により、新聞社1工場あたり年間2.4トンの化学薬品使用、12.1トンの水使用、12.6MWhの消費電力、3.9トンの廃液、2.4トンの合紙が削減される。アルミリサイクル効果も合わせると、年間約390トンものCO2排出量削減に寄与し、国内の新聞印刷業界全体に広がれば6万7,300トンものCO2排出量削減に貢献できるという。

関連記事

最新記事