大日本印刷&丸善雄松堂 北海道教育大学と、子どもたちが自分らしく学べる第三の場所「学びのサードプレイス」の社会実装に向けた共同研究を開始
大日本印刷株式会社(DNP)とDNPグループの丸善雄松堂株式会社は、北海道教育大学 未来の学び協創研究センターと共同で、子どもたちが主体的に学びに取り組むための「学びのサードプレイス」の社会実装に向けた研究を2023年10月に開始した。「学びのサードプレイス」は、子どもたちの新しい出会いや学びが生まれる学校と家庭以外の “第三の場所” を指す。
今回の共同研究を通して3者は、「学びのサードプレイス」の社会実装モデルの一つとして、誰もが利用できる社会教育施設である公共図書館との連携を検討する。公共図書館における「学びのサードプレイス」について、その在り方を考え、学びのメソッド(方法・方式)や学習プログラムを開発するとともに、実証実験を通して有用性を検証する。
今回の取組みの背景としては、環境・社会・経済が世界中で大きく変化するなか、自ら社会課題を発見して解決できる人材や日本が目指す未来社会「Society 5.0(創造社会)」を実現していく人材の育成の仕組みが必要とされている。加えてコロナ禍で臨時休校が続いた際など、子どもたちがそれぞれの「居場所」や「学びの場」を持つことの大切さが注目され、そのための取り組みを学校・家庭・地域が一体となって推進することが求められている。
こうした社会課題を踏まえ、子どもたちの学びと成長を支えていくため、3者は2023年4月に事業連携協定を締結。教育に関する研究やサービスといったそれぞれの強みを掛け合わせ、教育現場でのICT活用やDX推進につながる新たな学びの手段の開発などを行っている。その一環で今回、子どもたちの「学びのサードプレイス」をテーマとした共同研究を開始した。
【公共図書館での「学びのサードプレイス」の共同研究について】
子どもたちが主体的に学びに取り組む仕組みとして、自身の興味・関心に基づき学習内容を選択(学習設計)する「学習のマップ化」等のメソッドや、知識の習得で終わらずに体験を通して学びを深めるための学習プログラムを開発。この共同研究・実証実験を通して、「学びのサードプレイス」の社会実装に向けた課題の抽出・整理を行う。
研究期間 は、2023年10月2日(月)~ 2024年9月30日(月)
研究内容は次の通り。
①公共図書館における「学びのサードプレイス」のメソッドと学習プログラムの開発
子どもたちの主体的な学びを促進する学習プログラムを開発します。プログラムのテーマは、デジタルデータをもとに創造物を制作する技術である「デジタルファブリケーション」のほか、「電気回路」「プログラミング」「デザイン」「アート」などを予定している。また、これらのプログラムを活用した学習を通して子どもたちの可能性を引き出し、学びを深めるための学びのメソッドを開発する。
②札幌市の公共図書館での実証実験による学びのメソッドと学習プログラムの検証
2023年12月までに、札幌市内の図書館にて「学びのサードプレイス」を開設し、小中学生を対象に学びのメソッドや学習プログラムを活用した“図書館モデル”としての在り方を検証する。
役割分担については、DNPグループは「学びのサードプレイス」の社会実装に向けたモデルの構築や実証実験の運用を、北海道教育大学は「学びのサードプレイス」の設計および学びのメソッドと学習プログラムの開発、実証実験による検証を行う。
今後の展開としては、DNPグループは本実証実験の結果をもとに、図書館等の社会教育施設を中心とした「学びのサードプレイス」の研究開発と社会実装を推進するとともに、全国の自治体に学習プログラムを展開していく。また、学びたい人々が自由に探究的かつ体験的に学べる環境がある社会の実現に向けて、多様なパートナーと連携して、さまざまな取り組みを進めていく。