大日本印刷 50%以上の業務の自動化を目指し、OpenAI, Inc.が提供する企業向け生成AIサービス「ChatGPT Enterprise」を導入 研究開発部門や新規事業開発部門で活用
ChatGPT Enterpriseは、テキスト・画像・音声・動画などのデータを統合して処理する“マルチモーダル”や、思考プロセスを連鎖させて推論し結論を導き出す“論理的思考”の先進AIモデルの活用が可能。企業の業務プロセスの変革などにつながる。同社はDXを加速させ、さらなる業務プロセスの最適化や開発の効率化などを進めて、競争力強化と新たな事業創出を目指す。
ChatGPT Enterprise導入による主な取り組み
ChatGPT Enterpriseを導入した大日本印刷の研究開発部門では、新材料の探索や品質分析、製品開発における特許調査や出願、法規制調査に応用するとともに、研究開発用のシステム開発にも活用する。事業開発部門では、社会・市場・生活者の課題やニーズの変化等の迅速・的確な把握、各種調査や膨大な事業アイデアの検討などに活用。
同社は多様なテーマに合わせてプロジェクトを組むなど、ChatGPT Enterpriseを活用した社内のユースケース(使用事例・用途例)の創出に努め、各部門の生産性向上や新しい価値の開発・提供につなげる。また、ChatGPT Enterpriseの利用促進、教育プログラムの提供などOpenAIの継続的なカスタマーサクセスの支援を通じて、業務プロセス変革を推進する。
ChatGPT Enterpriseの活用を通じて、従来の業務と比較して50%以上の業務の自動化を目指し、さらにグループの全社員が生成AIを継続して積極的に活用できるよう、社内研修やコンテストを実施するなど、構築していくAIエージェントによる効果の最大化を図る。
DNPの生成AIに関する取り組み
大日本印刷はDXの実現に向けて、生成AIの活用を推進している。2023年には、国内外のグループ社員約3万人が高セキュリティな環境で生成AIを業務に利用できる環境を構築した。同年11月には、生成AIを活かした共創ができる「生成AIラボ・東京」を開設。約1年間で2,000を超えるユースケースを創出。また、生成AIを活用する体制の構築や企業風土の醸成にも努め、社員が生成AIを積極的かつ効率的に活用するための研修やコンテストを実施するなど、全社員のリテラシー向上を図っている。2024年には、社員のAI利活用時の法令遵守や公正性確保、プライバシー保護等の強化として「DNPグループAI倫理方針」を策定した。