大日本印刷 軟包装用グラビアインキをバイオマスインキに切り替え
大日本印刷(DNP)は、2021年1月、食品や日用品などの軟包装のフィルム印刷に使用する主要なラミネート用グラビアインキについて、植物由来の原料を一部に使用したバイオマスインキへの切り替えを開始する。
現在、菅首相が所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことを宣言し、規制改革の実現について述べるなど、脱炭素社会実現に向けた取り組みが加速している。
DNPでも、2020年3月策定の長期環境ビジョンにおいて、2050年温室効果ガス実質ゼロを掲げており、脱炭素社会の構築を目指している。DNPは、バイオマスインキについて、2018年に食品や日用品などの軟包装における基本物性の評価と、供給体制の構築を完了し、これまで顧客企業の要望に応じて限定的に使用してきた。今回、温室効果ガスの一つであるCO2削減を目指し、2021年より順次、軟包装を製造するDNPの国内の全工場で主要なラミネート用グラビアインキをバイオマスインキに切り替えていく。
今回の軟包装を製造する国内の全工場で切り替えを進めることで、取り組みによるCO2削減効果は年間800トン以上を見込んでいる。
DNPが使用するバイオマスインキは、植物に由来する再生可能原料を使用しているためCO2の削減と持続可能な原料調達による自然環境の保全を実現する。石油由来のインキと同等の物性を有しており、高い機能を必要とするレトルト、ボイル、電子レンジなどの食品用途や、詰替えパウチなどの日用品用途のパッケージの印刷インキとして使用できる。今回のバイオマスインキと「DNP植物由来包材 バイオマテック*1」を組み合わせることで、さらに環境への貢献度を高めることが可能。