大日本印刷 環境への負荷を軽減できるグラビア印刷用インキ「バイオマテックインキ」を開発
大日本印刷(DNP)は、植物由来の原料を一部に使用することで環境への負荷を軽減できる「バイオマテックインキ」を開発した。食品や日用品などの軟包装材に使用するグラビア印刷用インキを、植物由来原料を使用した「バイオマテックインキ」に切り替えることが可能。
近年、異常気象が多発しており、その要因のひとつに温室効果ガスの増大による地球温暖化が挙げられている。DNPは、持続可能な世界を実現するために2030年までに達成すべき17の国際目標であるSDGsの実現を目指した取り組みを進めている。
その一環として、温室効果ガスを製品のライフサイクル全体で削減できる、植物由来の原料を使用した包装用フィルム「DNP植物由来包材バイオマテック」を2006年に開発し、多くの食品や日用品などの包装材で使用されている。また近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、欧州連合(EU)では使い捨てプラスチック容器の禁止やリサイクルを義務づける法案が提出されている。全世界で使用後のプラスチックを資源として再利用するためのリサイクルを推進するべく、DNPは食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージを開発した。
今回DNPは、さらなる環境負荷の低減や温室効果ガスの削減を目指し、新たに植物由来の原料を使用した「バイオマテックインキ」を開発。食品や日用品などの軟包装材における基本物性の評価と、供給体制の構築を完了した。今後、食品・日用品メーカーとともに、「バイオマテックインキ」への切り替えを進めていく。