大日本印刷 東京大学とスキンディスプレイのフルカラー化に成功
東京大学の染谷隆夫博士の研究チームと大日本印刷は、独自の伸縮性ハイブリッド電子実装技術を進化させ、薄型で伸縮自在なフルカラーの皮膚に直接貼り付けて使用できるスキンディスプレイと駆動・通信回路及び電源を一体化した表示デバイスの製造に成功した。同装置は、皮膚上に貼り付けたディスプレイに外部から送られた画像メッセージを表示できるコミュニケーションシステム。
ウィズコロナ/アフターコロナの社会では、距離を隔てた状況でのコミュニケーションのあり方が重要になる。直接会えない、触れられない状況では顔色の変化から察するなど、非言語コミュニケーションの要素が欠落する。そこで対面で無意識に行っていたこれらの情報処理を補う手段がこれからの社会では求められると考えられることから、相手を身近に感じる効果を期待し、体表に近いところで情報を見たり、センシングしたりできる技術として、スキンセンサーやスキンディスプレイの開発が進められている。
同研究では、発光素子として無機半導体を発光材料としたLEDと独自の伸縮性ハイブリット電子実装技術を駆使することで、従来の伸縮性ディスプレイよりも圧倒的な大気安定性と機械的耐久性を同時に達成した。伸縮自在なディスプレイを皮膚にフィットさせ、かつ人の動きに追従させた状態で、数百個のLEDが1画素の故障もなくフルカラー動画を表示できたのは、世界初となる。