大塚商会 2023年12月期 決算の概況を発表、連結累計期間の売上高は前年同期比13.5%増の9,773億70百万円
株式会社大塚商会は、2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の決算の概況を発表した。
【2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の決算の概況について】
当連結会計年度における日本経済は、資源価格の高騰や物価高に加え、世界的な金融引き締めが国内経済に与える影響など不透明感があったものの、経済活動が正常化に向かう中、企業の業況判断も改善するなど景気は緩やかな持ち直しが続いた。
このような経済状況にあってIT投資分野では、企業のソフトウエア投資計画も高い水準にあり、生産性向上、競争力強化やコスト削減を目的としたデジタル化への対応などIT投資需要は底堅く推移した。
以上のような環境において同社グループでは、「お客様に寄り添い、まるごとDXで共に成長する」を2023年度のスローガンに掲げお客様接点の強化に努め、営業活動においては当社グループの強みを活かせる訪問による商談が活発化した。具体的には、労働基準法の改正、改正電子帳簿保存法やインボイス制度への対応などワークフローの見直しやセキュリティ対策、DX統合パッケージとクラウドサービスを組み合わせた業務のデジタル化や効率化へ向けた提案を行った。また、当社自身がAIによる業務プロセス改革など生産性向上を実現してきた事例を踏まえながら、中堅・中小企業のお客様でも手軽にAIの価値を享受できるサービスも含め、DX推進への取り組みを支援した。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、堅調な企業のIT投資需要を捉えることで一企業当たりの売上高の増加もあり9,773億70百万円(前年同期比13.5%増)になった。利益については、人件費等を中心に販売費及び一般管理費は増加したものの増収に伴う売上総利益の増加により、営業利益629億59百万円(前年同期比15.0%増)、経常利益645億17百万円(前年同期比13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益474億48百万円(前年同期比18.6%増)と増収増益となった。売上高及び各利益は過去最高となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、賃上げ促進税制の適用等もあり高い伸びとなった。
(システムインテグレーション事業)
コンサルティングからシステム設計・開発、搬入設置工事、ネットワーク構築まで最適なシステムを提供するシステムインテグレーション事業では、パソコンの増加によるハードウエアの伸びに加え、「SMILEシリーズ」などパッケージソフトや受託ソフト等も順調に推移し、売上高は6,301億85百万円(前年同期比16.3%増)となった。
(サービス&サポート事業)
サプライ供給、ハード&ソフト保守、テレフォンサポート、アウトソーシングサービス等により導入システムや企業活動をトータルにサポートするサービス&サポート事業では、オフィスサプライ通信販売事業「たのめーる」やサポート事業「たよれーる」などストックビジネスに引き続き注力し、売上高は3,471億85百万円(前年同期比8.7%増)となった。
表 2023年12月期の業績(2023年1月1日~2023年12月31日)
金額(百万円)/対前期増減率(%)
<連結>
売上高:977,370(百万円)/13.5(%)
営業利益:62,959(百万円)/15.0(%)
経常利益:64,517(百万円)/13.9(%)
親会社株主に帰属する当期純利益:47,448(百万円)/18.6(%)
<連結セグメント別売上高>
システムインテグレーション事業:630,185(百万円)/16.3(%)
サービス&サポート事業:347,185(百万円)/8.7(%)
<単体>
売上高:869,573(百万円)/13.3(%)
営業利益:55,323(百万円)/14.5(%)
経常利益:57,253(百万円)/12.9(%)
当期純利益:43,150(百万円)/17.8(%)
《参考:2022年12月期の業績(2022年1月1日~2022年12月31日)》
金額(百万円)/対前期増減率(%)
<連結>
売上高:861,022(百万円)/1.1(%)
営業利益:54,768(百万円)/△1.9(%)
経常利益:56,639(百万円)/△1.6(%)
親会社株主に帰属する当期純利益:40,022(百万円)/0.2(%)
<連結セグメント別売上高>
システムインテグレーション事業:541,671(百万円)/3.4(%)
サービス&サポート事業:319,350(百万円)/△2.7(%)
<単体>
売上高:767,649(百万円)/0.1(%)
営業利益:48,299(百万円)/△0.7(%)
経常利益:50,692(百万円)/△0.6(%)
当期純利益:36,631(百万円)/1.5(%)
【2024年12月期(2024年1月1日~2024年12月31日)の業績見通しについて】
今後、地域紛争の長期化や世界的な金融引き締めによる海外経済の下振れ、国内では物価上昇の継続などに注意は必要も、個人消費の持ち直しや設備投資の増加など、景気は内需を中心に引き続き改善に向かっていくことが期待される。
このような経済状況のもとで、企業は人手不足対策としての省人化投資、働き方改革関連法に伴う時間外労働の上限規制への対応に向けた業務効率化など、生産性向上や競争力強化を目的としたデジタル化の推進が求められていく。また、IT市場においては、Windows 10サポート終了に伴うパソコンの更新需要が動き出すことが期待されるなど、企業のIT投資は底堅く推移するものと予想される。
以上のような国内の経済状況やIT投資動向に対する見通しを前提として、当社グループでは、2024年度のスローガンである「お客様に寄り添い、DXでお客様と共に成長する」の方針のもと、オフィスまるごとへの取り組みを更に進めながら、同社グループの強みである幅広い取扱い商材やサービスを活かしお客様のDX推進への取り組みを支援する。中でもデジタル化が遅れている中堅・中小企業の顧客に対しては、デジタル化の支援とともに、生産性向上やコスト削減を実現する付加価値の高いソリューション提案を行い、顧客満足度を高めていく。そのために、営業やサポートの活動を支援する各センター機能やお客様マイページなど多様なチャネルを組み合わせ、お客様接点の強化を図るとともに、AI等の技術を活用した営業プロセス支援への取り組みを進めていく。また、ESG課題の解決とSDGsの達成への貢献に向け、ITを活用したサービスやソリューション提供を行っていく。加えて、人的資本の再強化を目的に進めている労働分配率の改善、オフィスまるごとに向けたマネジメント改革、AI人材の育成など従業員エンゲージメント向上へ繋がる取り組みを2024年度においても進める。
(システムインテグレーション事業)
システムインテグレーション事業では、ドキュメントのデジタル化など生産性向上、競争力強化やコスト削減のニーズを見極めながら、お客様のデジタル化を進めるため、お客様に寄り添い、引き続き当社グループの強みである幅広い取扱い商材を活かした付加価値の高いソリューション提案を行う。
(サービス&サポート事業)
サービス&サポート事業では、「たのめーる」の競争力の強化に努め市場の拡大を図り、「たよれーる」の利便性を高め、お客様が安心して安全に事業活動を継続するためのサービス、お客様のIT人材不足を補完できるようなサービスの開発に努め、着実に売上高の増加に繋げる。
次期の連結業績予想は、以下の通り。
売上高10,260億円(前年同期比5.0%増)、営業利益685億円(前年同期比8.8%増)、経常利益690億円(前年同期比6.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益476億70百万円(前年同期比0.5%増)。
セグメント別の売上高では、システムインテグレーション事業6,578億円(前年同期比4.4%増)、サービス&サポート事業3,682億円(前年同期比6.1%増)。
表 2024年12月期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想
第2四半期(累計)(百万円)/対前年同四半期増減率(%)/通期(百万円)/対前期増減率(%)
売上高:539,900(百万円)/3.6(%)/1,026,000(百万円)/5.0(%)
営業利益:37,400(百万円)/1.9(%)/68,500(百万円)/8.8(%)
経常利益:37,850(百万円)/0.6(%)/69,000(百万円)/6.9(%)
親会社株主に帰属する当期純利益:25,600(百万円)/0.7(%)/47,670(百万円)/0.5(%)
<セグメント別売上高>
通期(百万円)/対前期増減率(%)
システムインテグレーション事業:657,800(百万円)/4.4(%)
サービス&サポート事業:368,200(百万円)/6.1(%)
【2023年12月期の配当について】
同社グループは株主への利益配分を最も重要な経営課題の一つと認識しており、経営基盤の強化と財務体質の健全性を勘案しつつ、安定的な配当の継続を業績に応じて行うことを基本方針としている。この配当方針に基づき、当期の配当は1株当たり配当金を前期に比べ10円増額して135円とし、ご支援を賜った株主の皆様への利益還元を実施する予定。この結果、当期の配当性向(連結)は53.9%。なお、次期(2024年12月期)の配当は1株当たり配当金140円を予定しており、配当性向(連結)は55.7%となる見込みです。中間配当の実施は予定していない。
※2024年2月1日開催の取締役会において、2024年4月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割することを決議した。上記記載の次期配当については、当該株式分割を考慮しない金額を記載しています。なお、当該株式分割を考慮した場合の次期1株当たり配当金は70円になる。
<1株当たり配当金>
第2四半期末/期末/年間
2023年12月期(予定):0円/135円/135円
直近の配当予想(2023年2月1日公表):0円/130円/130円
2022年12月期(実績):0円/125円/125円
その他詳細資料は同社ホームページに掲載。
ホームページURL: https://www.otsuka-shokai.co.jp/ir