印刷産業にも影響 2020年 ビッグサイト使用不能問題で日展協が署名活動を開始
2020年開催の東京オリンピックのメディア施設に東京ビッグサイト(東京国際展示場)が使用される問題で、日本展示会協会は署名活動を開始した。
東京都は2019年4月から2020年11月の1年8ヵ月間に渡り、東京オリンピックのメディア施設に東京ビッグサイトを使用すると発表している。この期間中、ビジネスの中心である東京で大型の展示会、イベントが開催できなくなる可能性があり、関連する企業は大打撃を受けることが予想されている。
東京ビッグサイトで開催される展示会、イベントは年間で約300件。来場者は1,400万人以上となる。商談や新製品・新技術発表の場として機能しており、社会問題化や経済的損失を危惧する声が上がり始めている。
印刷産業も無関係ではない。イベント関連の印刷物の需要が失われる。また、同人誌の大型イベント「コミックマーケット」の開催ができなくなる、もしくは縮小となると、コミックの印刷を請け負う中小印刷会社への影響は計り知れない。
日展協は5兆円の売上の消滅、直接経済的損失5,000億円を試算し、11月16日に公式声明文を発表。東京臨海広域防災公園にメディア施設を新設及び、五輪後の展示会・防災拠点活用を提言している。署名活動では東京都に対し、東京ビッグサイトの全展示会が例年通り開催できること、東京臨海広域防災公園にメディア施設の新設を訴える。オンライン署名も受け付けている。