印刷工業会 「印刷工業会年末会員懇談会」開催で1年を締めくくる 人口減少のなかで人材確保するためのビジネス戦略セミナー
印刷工業会(麿秀晴会長)は、12月12日、東京都港区の明治記念館で「印刷工業会年末会員懇談会」を開催した。第1部講演会、第2部懇親会の2部構成となっており、第1部の講演会では株式会社minitts代表取締役の中村朱美氏を招き「仕組みで人を幸せに~働きやすさと会社利益の両立~」をテーマに語った。
中村氏は、自身の運営する「佰食屋」を題材とし、従業員の育成やより良い労働環境の提供を行う方法を経営者の立場から改新していく為のプロセスを解説し、人手不足にならない組織作りを提案した。
懇親会では麿会長が挨拶に登壇。「インバウンド需要は新たなビジネスチャンスだ」と語り、多言語への対応や新たな技術を積極的に導入していく姿勢が重要であると述べた。また、インバウンド需要のみならずデジタル化の進展に伴い、かつての受注産業という立ち位置から高付加価値、コミュニケーション産業への転換も目指していると意気込みを語った。来年も成長軌道に乗る魅力ある組織を目指していく決意を述べた。
乾杯の挨拶では、経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課課長補佐の目黒浩氏が高付加価値化された印刷というものを大切にしていきながら、人口が減っていく中どうやって維持をして社会に貢献していくかを考えて欲しいと呼びかけた。
なお、講演会で中村氏は一日100食限定でランチのみを提供する「佰食屋」についてビジネスの観点から解説。100食限定とするメリットとして毎日の発注量が同じである点を挙げ、この仕組みによりフードロスを限りなくゼロにし発注ミスを無くすことが出来ると語る。よって人的ミスが起こりづらい環境は従業員の心理的安全性を確保することが可能となる。100食という制限を設けることで従業員のオペレーションを簡略化できる上、SDGsにおける「つくる責任、つかう責任」へ貢献している。