凸版印刷 様々な絵柄をモアレで表現
凸版印刷は、印刷物のモアレを軽減させる技術を活用し、任意の画像をモアレで表現できるようにするシステムを開発した。同システムを活用したサンプルの提供を、7月9日より開始する予定。
同システムは、画像を2枚のパターンに分解するシステム。これを活用することで画像の立体感や動き、 色の濃淡をモアレで表現することが可能になる。通常の印刷物と異なり、 奥行きを感じさせたり絵柄に動きを感じさせたりすることができるため、 街中の警告表示や看板、POPなどの店舗装飾への活用が期待でる。
モアレとは、規則正しく並んだ点や線を複数重ねた時、視覚的に発生する縞模様のことで。このモアレが発生すると、意図しなかった見栄えの悪い画質となるため、印刷の再現のいて、発生の軽減が課題になっている。 従来、凸版印刷ではモアレを軽減させる技術の研究を進めており、これまで様々なモアレについて調査・解析を行ってきた一方、モアレをあえて積極的に用いることで、アイキャッチ性・訴求力がある表現の実現を目指し、これまでの知見や技術をもとに研究を進めてきた。
今回、 任意の画像の濃淡、 立体感、 動きをモアレによってコントロールできるように、異なるピッチや位相を持つ2枚のパターンに分解するシステムを開発。分解した画像をそれぞれ印刷し、 透明な板を挟んだり、距離を置いて設置したり、隙間を空けることで狙ったデザインにモアレを発生させる。これにより、印刷物にモアレの特性を生かした立体感や動きをもたせることに成功した。