凸版印刷 水素エネルギー市場へ電極部材の生産で参入、世界初の独自の製造方式による生産設備を高知工場に導入
凸版印刷株式会社は、水素エネルギー市場への参入に向け、世界初となる独自の製造方式による、触媒層付き電解質膜(Catalyst Coated Membrane、CCM)/膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)の生産設備を高知工場(高知県南国市)に導入した。これにより、高性能・高品質なCCM/MEAの量産が可能になり、8月より販売を開始する。
CCM/MEAは、水素を製造する水電解装置、水素の貯蔵や運搬に関わる電解槽、そして水素を利用する燃料電池において、中核となる重要な部材であり、来たる水素社会の実現に不可欠なエネルギー変換デバイスである。
本設備は、凸版印刷がこれまで大型カラーフィルタの製造で培ってきた大サイズ均一塗工技術や、枚葉基板搬送技術などの製造技術を活用し、CCM/MEAを枚葉式で量産することができる。
また、ダイレクトコーティングで作製したCCM/MEAは、電解質膜と触媒層間の密着性が高いため、水素を「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」の反応時の電気抵抗が低減し、エネルギー変換効率を向上させることができる。
凸版印刷は今後、水素を「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」の全領域にCCM/MEAを展開することで水素社会を実現し、カーボンニュートラルへ貢献する。