凸版印刷 国立西洋美術館とモネ作『睡蓮、柳の反映』の欠損部分をデジタルで推定復元
凸版印刷と国立美術館国立西洋美術館は、 印象派の画家であるクロード・モネが描いた同館所蔵の『睡蓮、 柳の反映』の、 欠損した箇所を推定して全体像を復元するプロジェクトに着手した。 デジタル復元した成果は、 今年6月11日から国立西洋美術館で開催する企画展「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」にて公開する。
国立西洋美術館が所蔵する『睡蓮、 柳の反映』は、 2016年にパリのルーヴル美術館で発見されるまで、 60年間にわたって行方がわからなかったクロード・モネによる晩年の大作で、 同館コレクションの中心をなす松方コレクションの中で重要な作品に位置付けられている。しかし、 発見された時には画布の半分近くが欠損しており、 作品の全体像は破損前に撮影された白黒写真から想像するしかない状態だった。
そこで今回、 凸版印刷がこれまでに培った消失文化財をデジタル復元する技術の実績と、それを基に新たに構築した復元手法を用いて、 『睡蓮、 柳の反映』の欠損部分を推定復元する。
なお凸版印刷では、 国内外の貴重な文化財を後世に継承するために実物のデジタルアーカイブや消失文化財のデジタル再現に取り組んでいる。 これまでにも、 帝国ホテル旧本館ライト館や江戸城天守のVR再現や、 模本と考えられている「大坂冬の陣図屛風」(東京国立博物館所蔵)の彩色復元を行っている。