凸版印刷(株)（麿秀晴社長）と東京国立博物館、故宮博物院は、7月26日から10月16日まで「紫禁城」をテーマとしたVR作品の上演と特別デジタル展を開催する。東京国立博物館東洋館内の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」では『故宮VR 紫禁城（しきんじょう）・天子の宮殿　TNM & TOPPAN ミュージアムシアター編』、東京国立博物館平成館では7月26日から9月19日まで日中国交正常化50周年を記念した特別デジタル展「故宮の世界」で中国の明・清時代の宮殿、紫禁城をテーマとする両企画で故宮・紫禁城ゆかりの名品や、実際の見学では立ち入ることができない宮殿建築を展示する。

　VR作品は、72万平方メートル以上の広大な空間を有する故宮・紫禁城内に立ち並ぶ何百もの建物のうち、政治と儀式の空間である「外朝」から、故宮最大の宮殿「太和殿（たいわでん）」を、政治と生活の場でもある「内廷）」からは、乾隆帝が政務と日常生活を送った「養心殿」と、乾隆帝が晩年住む場所として自らの理想を形にした「倦勤斎（けんきんさい）」を巡る。「倦勤斎」のVRの紹介は日本で初めて。またVR作品は、2000年より20年以上にわたり故宮博物院と凸版印刷が共同で推進している「故宮文化資産デジタル化応用研究（略称：故宮プロジェクト）」の成果を活用するも今回はTNM & TOPPAN ミュージアムシアター編として上演する。「故宮プロジェクト」は、故宮博物院内の宮廷建築群と文物を、凸版印刷が開発したVR等の技術で保存・公開する共同研究プロジェクト。国家認定の国際共同プロジェクトとして2000年にスタートし、紫禁城空間のデジタル化を推進。明・清時代の皇城の姿を再現する『故宮VR　紫禁城・天子の宮殿』シリーズの共同制作を進めてきた。20年間を通じて先駆的に取り組んできたVRによるデジタルアーカイブは、その規模において、世界に類例のないものになっている。

　特別デジタル展「故宮の世界」は明・清王朝の宮殿であった「紫禁城」の世界観を再現したデジタル空間を東京国立博物館の展示室に出現する。故宮博物院が収蔵す186万点以上の作品の中から選りすぐった歴代皇帝達のコレクションを、高精細デジタルアーカイブデータを活かした、さまざまなデジタル展示の手法で紹介。また、東京国立博物館が所蔵・管理するコレクションの中からセレクトした、歴代皇帝や宮廷にゆかりのある文化財を展示し、中国文化の精粋、故宮博物院の多彩な魅力展を紹介する。

〔開催要項〕

名称／日中国交正常化50周年記念　特別デジタル展「故宮の世界」

会場／東京国立博物館　平成館　特別展示室第1室・第2室

期間／2022年7月26日（火）～9月19日（月・祝）

主催／東京国立博物館、故宮博物院、凸版印刷株式会社

特別協力／朝日新聞社

後援／日本アジア共同体文化協力機構

開館時間／9:30～17:00（入館は閉館の30分前まで）　

休館日／ 月曜日、ただし8月15日（月）、9月19日（月・祝）は開館。

観覧料金／特別デジタル展「故宮の世界」・ミュージアムシアターセット券：1,800円

一般1,500円、大学生900円。

www.toppan-vr.jp/mt/