兼松経営 「デジタル印刷技術の導入に関する調査(2024)」を実施、デジタル印刷のメリットは多品種小ロット対応と運用コスト
中堅・中小企業経営のすべてに応える総合コンサルティングを行う兼松経営株式会社は、デジタル印刷に関するアンケート「デジタル印刷技術の導入に関する調査(2024)」を実施し、その内容をホームページ上で公開した。
印刷業界は、急速に進化するデジタル技術や市場の多様化、環境規制の強化など、多くの課題に直面しているが、同調査レポートは、デジタル印刷技術の導入効果、持続可能なビジネスモデルの構築、新たな市場への参入戦略など、最新の業界動向や市場分析を通じて、経営者が直面する様々な外部環境の変化に対応するための情報を提供すべくまとめている。そのサマリーを紹介する。
「デジタル印刷技術の進展や導入状況に関する調査(2024)」
「デジタル印刷技術の進展や導入状況に関する調査(2024)」は、2024年7月23日~7月24日の間で、インターネット調査で行われた。調査対象者は、印刷業の経営者、役員、管理職で、100人からの有効回答が得られた。10項目からなるデジタル印刷に関する質問を行っている。
アンケート調査によると、回答者の59%が既にデジタル印刷機を導入しており、主にオンデマンド印刷や小ロット印刷に活用している。導入の最大のメリットは「多品種少量生産への対応」(40.6%)で、最大の課題は「運用コスト」(34.8%)だった。またデジタル印刷技術の進歩に伴い「3D印刷技術」(47%)が最も注目されている。
デジタル印刷技術により、今後5年間では回答者の42%が売上増加を予想しており、52.5%がデジタル印刷の売上高比率の増加を見込んでいる。また、56%が環境負荷軽減に貢献できると回答している。
この結果から、市場ニーズの増加や技術の進歩により、デジタル印刷の重要性が今後さらに高まっていくことが示唆される。
デジタル印刷機の導入状況
デジタル印刷機の導入状況については、全体の59.0%の事業者がすでにデジタル印刷機を導入している。デジタル印刷技術が印刷業界において広く普及しつつあるといえる。
デジタル印刷機を主にどのような用途で使用しているか
デジタル印刷機を導入している場合、主にどのような用途で使用しているかについては、全体の91.5%がオンデマンド印刷に使用しているという回答であった。そのことから、デジタル印刷においては需要に応じた印刷の柔軟性と効率性が重要視されていると考えられると分析している。
また小ロット印刷(54.2%)とバリアブル印刷(47.5%)は、それぞれ半数以上の事業者で利用していることが明らかとなり、顧客のカスタマイズやパーソナライゼーションのニーズに対応していることが見受けられる。
一方、プルーフ出力の使用率は32.2%にとどまっている。
デジタル印刷導入による最大のメリットは多品種小ロットと短納期への対応
デジタル印刷技術の導入による最大のメリットについては、「多品種少量生産への対応」と「短納期対応」が特に評価されている。これらのメリットは、多様な顧客ニーズに応えるために非常に重要で、デジタル技術の優位性を反映している。また、コスト削減や付加価値の高い印刷物の提供も重要な要素として認識されている。
同調査レポートの詳細は、兼松経営のホームページから無料でダウンロードできるようになっている。
兼松経営株式会社 デジタル印刷技術の導入に関する調査(2024)レポート