共栄メディア ハイデルベルグ社製スピードマスターCD102-6L導入
共栄メディア(本社・東京都新宿区、錦山慎太郎社長)は、昨年末、ハイデルベルグのスピードマスターCD102-6Lを、戸田工場に導入し、年明けから本格稼働しており、それに伴う記者発表が、1月17日、戸田工場で行われた。今回の導入により、パッケージや店頭POP、店頭什器やディスプレイなど厚紙印刷への生産力が強化されることとなる。
スピードマスターCD102-6Lが導入された戸田工場は、2016年に印刷加工物流事業の譲渡を受けた元・三栄紙工㈱の印刷工場。印刷機の導入は、印刷機の老朽化に伴うもので、東京都中小企業振興公社の助成金事業「第1回革新的事業展開設備投資支援事業」の承認を得て進められた。
印刷機の選択において、「UV機印刷機、油性印刷機、LED-UV機、デジタル機という4択の中からの選択だった」と振り返る錦山社長。これからは油性印刷の時代ではないこと、厚紙印刷の事業に対応できる最新デジタル印刷機にチャレンジするには時期尚早であること、社内の生産力をあげることや紙以外の素材への印刷を考えるとUV機が望ましいこと、ニス加工の適正などを考えて、「UV印刷の6色機でニスコーターありの印刷機を選択しました。各メーカー企業様にもご協力頂いて、見学・検証なども行い、その結果的、スピードマスターに決めました」としている。選択にあたっては、実際に印刷の現場を担当するSPセンター戸田工場の印刷加工グループ・松本課長らも見学や検証に立ち会うなどして決めらたのだという。
現在、共栄メディアは、企画・広告・宣伝・販促に関する事業をワンストップで受注するSP(セールスプロモーション)事業を急速に拡大。店頭やイベント会場などで多様される什器をはじめとする厚紙印刷の制作を積極的に取り組んでいる。
実際、SP事業において、厚紙を使った生産は6割に上り、その内容も多様化している。ただし、これまではニスコーティングなど社内生産できない部分などでアウトソーシングに頼る部分も多く、内製化して利益率を上げていくことが課題の一つだったという。
今回のスピードマスターCD102-6Lは、そうした課題に対応するものであると同時に、SP事業を拡充させ、新事業領域の確立を目指したものでもある。
専務取締役の松永氏も「今年は第41期目を迎えます。営業としてもこれまでの実績と経験をもとに、社内で何が出来るのかを考えながら、様々に提案していきたいと思います。企画・提案という頭の部分から、加工や発送という最後の部分まで社内で対応できる仕組みを作っていこうと考えています」と語っている。
また現場を取り仕切る戸田工場長の半田氏は、「生産現場の負荷を少なくしていく現場づくりも進めていきたいと思っています。現場を楽に、生産はスピーディーに、ファクトリーオートメーション化を進めていくことが目標です」としている。
新しいUV印刷機を導入したことで、従来からもっている共栄メディアの営業力と企画・提案力、コンテンツ制作力と、旧・三栄紙工がもっていたパッケージ制作、アッセンブリや配送といった部分の連携が、さらに強みをもって生かされていくことになる。