全青協 第34回全国協議会で『四方よしのデザイン』を深掘り 〝パターン・ランゲージ〟学ぶ

全青協の今井議長
全青協の今井議長

全日本印刷工業組合連合会の青年組織・全国青年印刷人協議会(全青協、今井孝治議長)は2月6日、Web会議システムZoomで第34回全国協議会を開催し、今期のテーマ「四方よしのデザイン」について深掘りし、講演会で「パターン・ランゲージ」について学んだ。

冒頭、今井議長は「例年、全国協議会は委員を中心とした100名ほどで開催してきた。今回は初のオンライン開催とすることで委員以外の方を含め約200名の参加で開催することができた。コロナ禍で印刷産業の状況の変化に拍車がかかっている中、本日は私たち印刷人が何を考え、取り組むべきかを話し合っていきたい。パネルセッションを通じて、『四方よしのデザイン』をどのように実践につなげていくかとらえ、講演会で新しいテーマについても学んでいく」と挨拶した。

全印工連の滝澤会長
全印工連の滝澤会長

全日本印刷工業組合連合会の滝澤光正会長は「全印工連が掲げている『Happy Industry』を達成するには構造改善が欠かせず、その具体的な方策として“効率の良いプロダクションによる収益の改善”“ソリューションプロバイダーとしての価値の提供”“優秀な人材の確保と育成”の3つを推進している。『四方良しのデザイン』によって社会課題の解決を図ることは、ソリューションプロバイダーとして進化していくことにリンクする事情である」と全青協の活動へ期待を寄せた。

協議会前半は、「自分と会社の未来をデザインする」をテーマに掲げ、今井議長、全印工連の瀬田章弘副委員長、江森克治常務理事をパネラーに、愛知県ブロック担当副議長の岩月琢也氏が司会を務め、パネルセッションを開催。今後の印刷産業への変化について、紙媒体の製品をつくりデジタル化するという流れが逆転し、デジタルで情報を発信し紙でアーカイブを残すパターンが増えていると指摘。デジタルを中心に考え、紙で付加価値を付けていくように変化していく必要があると強調した。

また、実践的な「デザイン思考」の導入事例として、顧客の要求に対し否定から入り、なぜ必要か突き詰めることで要求の本質を理解できると紹介。社内から社会全体まで、周囲のもの全てへの思いやりを持つことで良いアイデアが生まれると、発想の方法に言及した。

パネルセッションの模様
パネルセッションの模様

後半は、慶応義塾大学総合政策学部の井庭祟教授が「パターン・ランゲージ」と題し、講演とワークショップを実施した。「パターン・ランゲージ」は、好事例の背景にあるに〝型〟や〝こつ〟をわかりやすく言語化するもの。質の高い結果を繰り返し生み出していくための実践的な言語を表す。より良い対話、学び合い、協働活動を促し、実践的な思考方法を獲得する手助けとなる。ワークショップでは「トランスフォーメーションに対応するためのパターン・ランゲージ(トラパタ)」を設定し、トラパタを使った自己紹介や、トラパタをどうのように社内に活かせるか考察した。

第34回全国協議会 集合写真
第34回全国協議会 集合写真

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