全青協 全国協議会で価値獲得の手法学ぶ、『利益ロジック』活用し利益化へ
全日本印刷工業組合連合会の青年組織・全国青年印刷人協議会(全青協、岩村貴成議長)は2月4日、東京都港区のグランドニッコー東京 台場で第36回全国協議会を開催し、180名の青年印刷人が参集した。全国協議会では、セミナー「課金の種から利益を咲かせる」と各ブロック担当副議長による収益モデルの提案、グループディスカッションを通して新たな価値・収益獲得の方策を探究した。
冒頭、来賓として全印工連の滝澤光正会長、瀬田章弘副会長、全国印刷緑友会の浅野貴之会長が祝辞を述べた後、岩村議長が「議長に就任してからこの1年間、今期のテーマ『本業(じく)を変えない儲かリノベーション』について全国9ブロックの協議会で学んできた。コロナ禍のなか延べ300名に参加いただき感謝している」と挨拶し、当日の進行を説明した。
セミナー前半は白石陽一指名副議長、井上貴寛指名副議長が講師となり、今期前半1年間の各ブロック協議会で学んだ内容として、近年の収益獲得の概念の変化や、イノベーションへの2つのルート、30に分類される価値獲得のパターン、課金ポイントの探し方・増やし方・課金タイミングのずらし方について改めて解説した。
後半は、岩月琢也指名副議長が「価値獲得を新しくする利益化のロジック」について講演した。岩月氏は、従来、ものづくり・もの売り企業の価値獲得は主要プロダクトありきであったが、これからは収益源を多様化した上での利益化(営業利益向上)を図ることが必要だと強調。価値獲得のデザイン設計として、電源スイッチのON/OFFに見立てて、「課金プレイヤー」「課金ポイント」「課金タイミング」の3つ要素をOFF(保守的)からON(革新的)の状態へと変化させることで新たな価値獲得を図る『利益ロジック』の思考法を提言した。
引き続き、各ブロック担当副議長が「『夢が膨らむ』収益モデル」をテーマに具体的な価値獲得へのビジネスモデルを提案し、最後に岩村議長が「今期の全青協は、本業を変えずに収益化(売上向上)する方法と、その上でどのように利益化(営業利益向上)していくかを模索してきた。中小企業が事業を再編するのは人員的に難しため、本業を変えないまま見直しイノベーションする必要がある。今後は来年夏の全国協議会に向けて新しく発展したテーマを考え展開していく」と総括して締めくくった。