全青協 『四方よしのデザイン』を総括 新議長に岩村氏(オフセット岩村)

2年間を総括する今井議長
2年間を総括する今井議長

全日本印刷工業組合連合会の青年組織・全国青年印刷人協議会(全青協、今井孝治議長)は2月13日、東京都千代田区の日比谷三井カンファレンスとオンラインで第35回全国協議会を開催した。全国協議会では、『四方よしのデザイン』のテーマのもとに活動した実践事例が発表されたほか、2022年・2023年度の正副議長を発表した。

冒頭、直前議長でPrintNExt2022運営委員長の青木允氏が登壇し、PrintNExt2022開催の謝辞を述べ、今井議長が「本日は、この2年間で精一杯つくりあげてきたものをご披露できる大事な日になる。また、新しい青年印刷人のリーダーを迎えられることをとても嬉しく思っている」と挨拶した。

来賓からは全印工連の滝澤光正会長、瀬田章弘副会長が代表して挨拶に立ち、「これからはデジタルネイティブである若い力が必要」「知識を深め、お互いを高め合える仲間をつくることが1番の役割」と青年部の在り方を再確認するとともに青年印刷人にエールを送った。

引き続き、今井議長が今期の取り組みを説明し、各ブロック副議長が実践事例を報告した。今期は『四方よしのデザイン』をテーマに掲げ、1年目にデザイン思考・デザイン経営セミナー、2年目にパターンランゲージを取り入れた「パターンライティング」「フューチャーランゲージワークショップ」「ブロック副議長による自社実践」に取り組んだ。

冊子『四方よしのデザイン』
冊子『四方よしのデザイン』

『四方よしのデザイン』は、近江商人の『三方よし』に時間軸の“未来”を加えた『四方よし』に、“デザイン思考”による新しい価値創造加えた考え方。パターンランゲージは、デザイン思考と相性が良く実践しやすいツール。うまくいくコツ(実践知)をまとめて誰でも使えるように共通言語に表したもの。フューチャーランゲージは、未来の理想像を描き、小さな単位で記述する方法。状況、問題、解決方法がセットになっているパターンランゲージに対し、フューチャーランゲージは未来、問題、実現方法をセットに考察を進める。

実践事例の中で、中部ブロックはパターンランゲージの実践として、「営業マンの行動再現性UPをめざしたPL」を実施。年間で1回しか機会のない季節商品は営業担当者の育成に時間がかかるという状況から、経験が蓄積できていないという問題を抽出。解決方法として、万年日めくり「営業がうまくいくコツ」を作成。社内で常に目に触れるコンテンツとして定着を早め、経験の交換で再現性向上を図った。

挨拶する岩村新議長
挨拶する岩村新議長

今井議長は2年の総括として発行した冊子『四方よしのデザイン』の内容から、「ジョブ理論をベースに職業、戦略、パターンの類似性、関連性を重視することで様々な発想が生まれる。お客様に高い価値を提供するには、自社のビジョンとお客様の課題がフィットしなければならない。ビジョン、ミッション、バリューをパターンランゲージという言語で表すことで、自社の状況が理解しやすくなる。また社員にも浸透し、より良いパターンができることでお客様に届くようになる」と今期の取り組みから得た知見を説明した。

新議長に就任した岩村貴成氏(㈱オフセット岩村)は、『本業(じく)を変えない儲かリノベーション』を掲げ、新年度事業に取り組む。

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