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全国出版協会・出版科学研究所 2024 年出版市場・紙+電子は1.5%減で1 兆5,716 億円、電子出版は5,660億円で全ジャンルプラスに 『季刊出版指標』2025年冬号で2024年出版市場規模を発表 

出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は、『季刊出版指標』2025年冬号(1月24日発売)で2024年1月から12月までの累計から出版市場規模を発表した。

それによると、紙と電子を合算した出版市場(推定販売金額)は、前年比1.5%減の1兆5,716億円。6年連続の前年割れも落ち幅は縮小。内訳は、紙の出版が同5.2%減、電子出版が同5.8%増。紙の出版は書籍、雑誌ともにマイナス。電子出版はコミック・書籍・雑誌いずれもプラスとなった。

紙(書籍・雑誌)市場はかろうじて1兆円を上回る

2024年の紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比5.2%減の1兆56億円。かろうじて1兆円を上回った。内訳は書籍が同4.2%減の5,937億円、雑誌が同6.8%減の4,119億円。

書店の閉店が続き、書籍・雑誌ともに依然厳しい数字となったが、店頭売り上げは書籍が前年を上回るなど、既存店では回復傾向が見られる。書籍は文芸・学参・ビジネス書などが好調。雑誌は月刊誌(ムック、コミックス含む)が同6.3%減の3,494 億円、週刊誌が同9.3%減の625億円。月刊誌の内訳は定期誌が約5.0%減、ムックが約2.0%減、コミックス(単行本)が約10.0%減。
『MORE』『Mart』『steady.』『ポポロ』などが休刊。コミックスはアニメ化によるヒットもあったが、前年、前々年の規模には遠く及ばず、既刊も伸び悩み3年連続の大幅減となった。

電子出版市場は5,660億円、全ジャンルでプラスに

2024年の電子出版市場は同5.8%増の5,660億円。内訳は電子コミックが同6.0%増の5,122億円、電子書籍が同2.7%増の452億円、電子雑誌が同6.2%増の86億円。電子コミック単体で5,000億円を突破、コロナ禍前の2019年から5年間で倍増した。各ストアは出版社との協業による独占・先行配信やオリジナル作品の強化、割引・ポイントバックなど様々な施策を積極的に展開している。電子書籍はライトノベルや写真集が牽引し3年ぶりのプラス。電子雑誌は「dマガジン」「楽天マガジン」の値上げにより、こちらもプラスに転じた。

『季刊 出版指標 2025年冬号』
貞数:95ページ
判型:B5判
発売:2025年1月24日(年4回 25日発売)
領価:4,400円(本体4,000円+税)送料別
[第1特集]2024年 出版物発行・販売概況
[第2特集]2024年 電子出版市場
[第3特集]データからみる翻訳文学の現状

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