京都・土山印刷など2社 民事再生法の適用を申請(新型コロナウイルス関連倒産)

 京都の土山印刷株式会社と子会社の株式会社オカムラは、4月25日に京都地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。負債額は、土山印刷が約27億4400万円(2021年12月期末時点)、オカムラが約9900万円(2021年8月期末時点)で、合計で約28億4300万円。

 土山印刷は1911年に創業。チラシやカタログ、パンフレット、カレンダーなどの商業印刷を主体に、美術書や写真集などの美術印刷なども行っていた。京都府内を中心に近畿一円および東京都内を営業エリアとし、大手企業を得意先に掴むなど印刷技術に一定の評価を獲得。地場有力企業としての地位を築いていた。
 しかし、デジタル化の進展により印刷需要が伸び悩むなか、同業他社との競合もあり売り上げが減少。その後はメディアミックスサービスを展開していたが、2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大によるイベントの中止・延期などが相次いだ影響で受注が大きく減少。2期連続で大幅赤字を余儀なくされ、債務超過に転落。この間の金融債務の返済負担が重荷になり、取引金融機関に対して返済猶予(リスケジュール)を要請していたが、その過程で過年度における粉飾決算が発覚。追加の金融支援が限定的となるなか、採算改善も進まず、自力再建を断念した。
 オカムラは、1926年に創業した印刷業者。京都北部を主要営業エリアとして商業印刷を手がけていたが、後継者問題を抱えるなか、2018年に土山印刷の傘下に入っていた。
 なお、現在も営業を継続中で、スポンサー支援による再建を目指している。

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