京セラ 循環型インクジェットプリントヘッド「KJ4B-EX600-RC」を発売、捺染や段ボール印刷、建材印刷など幅広い用途に対応
京セラ株式会社は4月より、捺染や段ボール、建材など幅広い印刷用途に対応するインクジェットプリントヘッドにおいて、業界最高クラスの生産性で、多様なインクに対応可能な循環型ヘッド「KJ4B-EX600-RC」を開発し、販売を開始する。
「KJ4B-EX600-RC」はノズル近傍循環機構により、速乾性インクなど多様なインクに対応し、幅広い用途で使用ができる。
京セラ独自のノズル近傍循環機構により、ノズル乾燥を回避。均一な温度管理とインク成分の沈降を抑制し、安定した印刷を可能にしたことで、速乾性インクなど多様なインクでの印刷に対応できる。また、ヘッドクリーニングなど再稼働時のメンテナンスの削減にも貢献する。加えて、本製品は水冷仕様が標準となっており、水冷機構による連続印刷と印刷特性の安定性を確保している。
インク流路設計の最適化とヘッド構造の見直しにより、ノズルから吐出されるインクの最大液滴量を、40kHz駆動時、従来品比約17%増の14pLまで向上させるとともに、吐出安定性を高め、高い駆動周波数と最大液滴量増加による生産性を向上させた。108.3mmと広い有効印字幅で、高精細かつ業界最高クラスの生産性を実現する。
また、当社独自の一体型ピエゾアクチュエータにより高画質印刷を実現。当社独自の緻密多結晶セラミックアクチュエータに関する材料設計技術と、薄型圧電セラミック基板の製造プロセス技術を生かし開発した大型の一体型ピエゾアクチュエータを、本製品向けに最適化し採用(幅 116mm×奥行 21mm×厚み 0.04mm)。大型の一体型ピエゾアクチュエータにすることで、ヘッド内の画質を均一にし、より高画質な印刷を実現する。
このほかにシンプルかつ堅牢なステンレス積層流路構造を採用し、高耐久性を実現。一体型ピエゾアクチュエータの採用により、構造設計の自由度が増し、シンプルかつ堅牢な構造を実現した。これにより、構造体としての強度と安定度を向上させ、耐久性を高めている。
また、今年5月28日(火)から6月7日(金)に、ドイツで開催される国際印刷・メディア産業展「drupa 2024」に出展し、本製品の展示も行う。
京セラでは「KJ4B-EX600-RC」の供給により、印刷のデジタル化の可能性をさらに広げるとともに、地球環境の持続可能性の向上に貢献する。