三進社 高速無線綴ラインCABS6000導入で製本の生産能力倍増

三進社の沼澤社長と無線綴機SB-17
三進社の沼澤社長と無線綴機SB-17

頁物、商業印刷を中心に小部数のオンデマンド印刷まで対応する株式会社三進社(沼澤誠社長)は、墨田区の業平工場に「ホリゾン高速無線綴ラインCABS6000」を導入。毎時6,000冊の生産能力により無線綴じ製本の生産能力を2倍に高めた。RMGT LED-UV搭載の8色両面印刷機から製本までの製造ラインにより最終製品の出荷を大幅に短縮しており、沼澤社長は「セット替え時間が大幅に短縮された。製本がネックで無理と思われていた納期も短納期が可能になった」と述べる。大幅な時間短縮効果から「小ロット・多品種」の印刷・製本・発送の生産体制を大幅にパワーアップする。

LED-UV印刷と製本を直結

業平工場に設置されているRMGT LED-UV A全判8色両面機
業平工場に設置されているRMGT LED-UV A全判8色両面機

製本加工の強化について沼澤社長は、「三進社が得意とする小ロット印刷を効率化する一貫生産の体制となりました。業平工場で稼働するRMGT LED-UV8色両面印刷機と、新設の無線綴じラインやペラ丁合無線綴、中綴じラインと直結することで更なる納期短縮を追求しました」と製本設備導入の目的を述べている。
同社はホリゾンCABS6000の導入に伴い、業平工場を拡張。これまでの無線綴と中綴じ棟に加えて、ペラ丁合無線綴棟を増設して1ブロックを拡張した。LED-UV印刷システム搭載のRMGT A全判8色両面印刷機、ホリゾンCABS6000ライン、ペラ丁合のホリゾン無線綴機、尾﨏製作所の中綴じ機2ラインという3つのブロックで構成し、LED-UV印刷から3つの製本機ラインが直結した。

業平製本工場に導入されたCABS6000
業平製本工場に導入されたCABS6000

ホリゾンCABS6000は、17クランプ無線綴機、12駒の万力丁合機、三方断裁機HT-110を連結。丁合、製本、仕上げ断裁まで毎時6,000冊の処理能力を持つ。無線綴じラインには乱丁検知器、丁合スタッカー、厚み検知装置、重量検知装置も設置し、製本の計数管理を装備している。
「CABS6000は、これまで気になっていた課題を全て解決し、背丁、仕上がり品質、仕事を切り替える時のセット時間の短縮を実現しました。製本の熟練技術者に頼ることなく、最も課題となっていた製本のセット時間も、タッチパネルによる直感的な対話方式により作業時間を大幅に短縮することが出来ました。当社が最も得意とする小ロット印刷の製本の能力を2倍に高めることが可能になりました」と沼澤社長。製版からLED-UV印刷、高速製本ラインへと、即日および翌日納品を実現し、スピードを飛躍的に高めた。
同社の業平工場は、無線綴、中綴じを4ライン揃えており、製本ラインがメンテナンス等で使えなくなった時を想定したバックアップ体制も充実させ、不測の事態に対応する。1時間5,000冊の生産能力を持つ尾﨏製作所の中綴じ機が2ライン、ホリゾン無線綴機がペラ丁合7クランプ3,200冊/時の能力を持つ無線綴機SB-07、折丁で毎時6,000冊を生産するCABS6000の2ライン。正栄機械製作所の16頁折機3台、32頁折機1台、ホリゾン四六半裁自動折機、永井機械製作断裁機2台の製本設備を取り揃え、24時間稼働を行い、短納期に対応する。
沼澤社長は「お客様が製本で不安を感じることが無いようにしたい。業平工場は24時間稼働なので急ぎの仕事に対応出来ます。CABS6000の簡便なセット替え装置は、今まで以上に小ロットの印刷物を短時間で生産します。無線綴はペラ丁合と折丁合、折丁、中綴じ2セットという4つの製本ラインが当社の強みとなっています」と一貫生産のメリットを強調する。

高速製本機が新しい武器に、 ホリゾンCABS6000
三進社が導入したホリゾン高速無線綴機CABS6000は、インラインで丁合から三方断裁までを6,000冊/時の高速生産を実現する。最小A6サイズから最大B4サイズまでの幅広いサイズの製本がインラインで行え、様々な製本サイズの変更にも素早く対応。高精度で素早いセット替えとタッチパネルでの直感的な操作により少量生産から大量生産まで幅広いニーズに対応する。
6駒万力丁合機MG-600は、最大6連結(36駒)までの拡張が可能。17クランプ無線綴機SB-17は、交換式のメルトタンクユニットを採用し、EVAとPURのどちらのホットメルトにも使用でき、6,000冊/時の高速生産を行う。
三方断裁機HT-110は、断裁サイクルは最高1600サイクルから最低400サイクルまでの13段階の切換が可能なため、積み重ね部で4冊積み重ねることにより6,000冊/時の高速運転に対応する。

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