リコー、OKI A3モノクロプリンターエンジンを共同開発
リコーと沖電気工業(OKI)は、A3モノクロプリンターのプリンターエンジン(印刷機構)を共同開発した。今春、新エンジンに自社製のプリントコントローラー(制御機構)を独自に搭載した新商品を、両社がそれぞれ国内市場向けに発売する。今回の共同開発は、OEMとは異なり、両社の強みを持ち寄ってプリンターエンジンの開発を企画段階から協業して進めたもので、開発期間を従来比で約3割短縮し、開発効率の向上を実現した。
リコーは、2021年度から2か年の第20次中期経営計画で、「OAメーカーからの脱皮」と「デジタルサービスの会社への事業構造の転換」を掲げている。オフィスプリンティング分野のものづくりを担うリコーデジタルプロダクツビジネスユニットではオペレーショナルエクセレンスの追求に取り組んでおり、事業成長に向けてより一層効率的な開発投資が求められる中で、独自技術を囲い込まずに、OEM提供の拡大など、競争優位な分野でも積極的な他社協業に取り組んでいる。
OKIは、2022年度を最終年度とする「中期経営計画2022」で「社会の大丈夫をつくっていく。」をキーメッセージに、これまでに培ったモノづくりを通じて社会課題を解決することを掲げている。コンポーネント事業分野では、これまで培った技術や強みのある商品・モジュールをパートナーへ広く供給することを重点戦略の一つとして、他社との協業の強化に取り組んでいる。
A3モノクロプリンターは、主に国内の官庁・自治体や医療、金融市場などを中心に業務プリンターとして活用されている。両社は今回、それぞれの顧客の声を持ち寄って製品仕様を決めるなど、企画段階から協業して開発にあたった。印字部分には高精細・高信頼性を実現し、装置の小型化に寄与するOKIのLEDプリントヘッドを採用。業務用途で重要となる幅広い用紙対応力や高信頼性を実現する用紙搬送機構をリコーが担うなど、両社の強みとなる技術を組み合わせた。また、メンテナンス作業が前面から行えるフロントアクセス構造により使い勝手の良い商品が実現できる。