株式会社リコーは、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify（ディファイ）」を開発する米LangGenius,Inc.と連携し、Difyを活用した現場社員による業務効率化の取り組みを加速させた。

取り組みの第一弾として、リコーデジタルサービスBUのマーケットインテリジェンス支援業務で社内実践を開始。社員が各自の業務プロセスを効率化し、蓄積したノウハウをリコージャパン株式会社が育成を開始しているAIエバンジェリストと連携して顧客へと提供する。

Difyとは？

米LangGeniusが開発したオープンソースのLLM（大規模言語モデル）アプリ開発プラットフォーム。プライベートデータソースまたは独自のデータソースからの情報で補完するRAGエンジンを使用して、AIエージェントから複雑なAIワークフローまで、LLMを活用したアプリケーションやサービスを簡単に作成・運用することができる。最大の特徴としては、プログラミングの知識がなくても、ノーコードで開発できるという点。プログラムを書く必要なく、処理の機能を持つブロックをつなげていき視覚的にプログラムを組み立てる直感的なインターフェースで、多様なAIアプリケーションを簡単に作成可能。このプラットフォームは技術者ではない実際の担当者が、自ら業務に最適なAIアプリケーションを素早く開発する市民開発のために活用が期待されている。

生成AI普及の現状

近年の生成AIの普及により、幅広い業務でAI活用による業務効率化・生産性向上が検討されている。一方で、社内にAIの開発ができる人材がいない、開発にかかる工数や費用を懸念している等、実際のAI活用には課題が存在している。そんな中、技術的な知識がなくともAIアプリケーションを簡単に作成し、広く利用できるようにする「AIの市民開発（AIの民主化）」が注目されている。

リコー＆LangGeniusのエンタープライズ契約締結による成長

リコーはLangGeniusとエンタープライズ契約を締結。まずは、デジタルサービス事業を推進するリコーデジタルサービスBUの社員にDifyのアカウントを配布する。今後、社内実践の取り組みをより高度化し、新たなビジネス機会創出、経営リスクの早期予見、ビジネス機会の損失防止等の迅速で客観的な経営判断サポート。
また、社内実践と並行して、リコーは顧客の要望に応じて、Difyを活用した個別の提案活動を促進する。Difyを活用することで、リコーが開発したオンプレミスで導入可能なLLMと合わせクローズドでセキュアな環境下で、プライベートLLMを素早く構築することが可能となる。具体的なユースケースの例としては社内外のFAQ対応の効率化、議事録や各種コンテンツの自動生成、データ分析、メール監査や契約書のチェック機能など様々な業務を効率化・自動化することができる。

社内実践で得たノウハウを盛り込み、顧客が自社の業種業務に合わせて利用できるAIサービスの提供に活かすことで、企業もデジタルトランスフォーメーションを支援する。