ユポ・コーポレーション 創立50周年記念式典で約500人が祝う
合成紙で知られるユポ・コーポレーションは、創立50周年を記念して、5月10日、東京都中央区のロイヤルパークホテルで「ユポ創立50周年記念式典」を開催した。会場には、取引先企業や関係各社、従業員ら合わせて500人が出席し、50年を祝った。
なお会場入り口前には展示ラウンジも設けられ、これまで同社が歩んできた軌跡をパネルで紹介。今後予定している開発の方向や事業展望についても掲げ、ますます必要とされることが期待されている合成紙や特殊紙の開発等に取り組んでいくことが紹介された。
午後4時30分から式典が開幕。
オープニングでは、同社の歴史をたどるヒストリー映像を上映し、技術開発を基軸に新たな市場を切り開いてきたことが紹介された。
続いて、ユポ・コーポレーションの藤原英幸社長が挨拶に立ち、感謝の意を述べた。藤原氏は、まず、王子油化合成紙研究所として旧王子製紙と旧三菱油化の折半出資により設立したものの、創業間もなくオイルショックに見舞われ、原油価格が高騰。その結果、当初の目的だった安価な石油を使用した合成紙による「紙の代替」という指針の変更を余儀なくされ、現在に通じる特殊機能性フィルム、特殊機能紙への開発と大きく舵を切ることになったことを紹介した。
そして関係各位にこれまでの支援・協力をはじめ、様々な課題を抱えながらも採用を続けてきた顧客企業へ感謝の意を述べ、「合成樹脂を主原料とする合成紙事業にとって、昨今の廃プラスチック、マイクロプラスチック問題など、私たちを取り巻く環境は、決して楽観できるものではありません。昨年はバイオマス樹脂を配合したユポグリーンを発売、この秋には本格生産が始まります。長年の夢でもあった、紙と同じようなハンドリングが可能な一般油性インクで両面印刷が可能なユポもこの秋にはお披露目できるところまで来ました」と近況を報告。「50年の節目を迎え、創業の原点を見つめ直し、お客様第一で、開発オリエンティッドなチャレンジャーを目指してまいります」と宣言した。
続いて、親会社代表挨拶があり、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長と、王子ホールディングスの矢嶋進会長が登壇した。
小林会長は、ユポの生みの親と言われている故・丹波繁元会長と出会い、熱い想いを語り合った思い出を紹介すると共に、ユポ・コーポレーションの存在がグループ内に良い刺激を与えていると讃え、100年企業にむけて進むことを祈念した。
矢嶋会長は、課題として合成紙の開発と、市場拡大が見込める新興国市場の獲得が必要であると指摘すると共に、生活スタイルが変わってきている中で革新的な創造性を維持して進んでもらいたいと期待を述べた。
その後、リンテックの大内昭彦会長が登壇して乾杯の発声を行い、声高らかに杯を挙げて祝宴となった。
中締めでは、ユポ・コーポレーションの渡邉真士常務が登壇。来場者へ感謝の意を述べた。