モリサワ会 秋期研修会開催し、文字技術の今後を学ぶ。DXと事業戦略からモリサワの価値協創を提示する
(株)モリサワ(森澤彰彦社長)のユーザーで構成されるモリサワ会(浅野健会長)の秋期研修会が12月5日、モリサワ東京本社でリアルとオンライン配信によるハイブリッド形式で開催された。
冒頭の挨拶で浅野会長は、「モリサワ会では、文字に関して様々なことを学んでいただく機会を提供している。文化が文字とともに誕生し、『進化』と『変化』してきた変遷を学び、文字に生み出す技術とその歴史を学ぶということにある。本日は後者にあたり、我々がどんな未来を生きていくのか。企業経営でどんなことを心掛ければ良いのか。そのヒントを持ち帰っていただきたい」と研修会の目的を述べた。
研修会では、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関するテーマを中心に、モリサワから3名の講師が登壇した。岡繁樹戦略デザイン部門長が「 デザイン市場における技術と構造変化に対応した事業戦略 」、邊川篤史システム開発部門長が「コマーシャリズムに流されないデジタルトランスフォーメーションの理解」、園田晋営業部門長が「 業界外から進むグラフィックアーツの DXと、クライアントと協創する新しい価値 」をテーマにモリサワが考える新しい価値協創のひとつの形を提示した。
岡繁樹戦略デザイン部門長は、情報伝達メディアの変化のみならず、新たな技術サービスによる制作ツールの進化によってデザイン市場は構造的な変化にさらされている。これらの変化を踏まえたモリサワの新サービス MorisawaFontsの目指す戦略と方向性を語った。
邊川篤史システム開発部門長は、ビジネスにおいてデジタルトランスフォーメーションを便利に利用することが多く、その定義は定まっていない。モリサワは業界の激しい変化に対応するため、DXを経営指針の一つとして用いている。会員各社様の経営判断の一つとして、モリサワの考えるDXの定義を説明した。
最後に園田晋営業部門長から製造装置やプロセスのデジタル化を進めてきた印刷業界が、社会のDX化に対応する方法があるのか。事業や業界構造の変化への対応を、プリプレスなど前工程で進むコラボレーションをヒントにしながら、モリサワが考える新しい価値協創を提示した。