モリサワ 阪神電気鉄道の阪神甲子園球場&邦⽂写真植字機発明100周年を記念し『甲子園フォント』を制作 阪神甲子園球場でお披露目会を実施、特別展示やグッズも展開
株式会社モリサワは、阪神電気鉄道株式会社が運営する阪神甲子園球場で100周年記念共同プロジェクトとして『甲子園フォント』のお披露目式を開催した。記念共同プロジェクトは2024年に阪神甲子園球場開場が100周年迎え、また邦⽂写真植字機発明が100周年を迎えたことから実施している。
同プロジェクトは、阪神甲子園球場が大切に受け継いできた「甲子園文字」を、文字のプロフェッショナルとして歴史を紡ぐモリサワが、現代の実用に即した「甲子園フォント」として制作したもの。
お披露目式は、阪神電気鉄道の谷本修取締役と、モリサワの森澤彰彦代表取締役社長が登壇。球場メインビジョンに甲子園フォントの開発の裏側を映した元阪神タイガースの真弓明信氏が登場するメイキング動画のダイジェストが流れた後、スコアボードに『甲子園フォント』で「甲子園」の3文字を表示した。続いて、場内放送係員のコールに合わせ、阪神タイガースの「日本一となった1985年、開幕試合のスターティングメンバー」と「2023年、リーグ優勝を決めた試合のスターティングメンバー」の名前が並んだ。それぞれの選手名が表示されると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
『甲子園フォント』は、2025年3月4日(火)のオープン戦(阪神タイガース対中日ドラゴンズ)から阪神甲子園球場のスコアボードで使用を開始する。
また、『甲子園フォント』の完成を記念して、開発の裏側を映したメイキング動画をモリサワのホームページで公開している。さらに、甲子園フォントの完成に伴い、『甲子園フォント』に関連した様々な商品を、「甲子園eモール」及び阪神甲子園球場のレフト16号門横スタジアムショップ限定で販売している。
▶甲子園eモール(阪神甲子園球場オフィシャルオンラインショップ)
■甲子園文字について
1934年に阪神甲子園球場の外野中央に完成した2代目スコアボードでは、1983年まで、職人が黒い板に毛筆で手書きをした文字を使用しており、その独特な字形は「甲子園文字」と呼ばれ、甲子園らしさを象徴する伝統の1つとして親しまれていた。1984年にスコアボードが電光掲示板に改修されてからも、同球場の職員が、甲子園文字を踏襲した球場オリジナルの文字を作ることでその伝統を受け継いできた。このように、甲子園文字は、職員の手で作成され、人の手で継承されてきたが、甲子園フォントの制作により、デジタル表示における甲子園文字が完成形となることで、甲子園文字を安定的に受け継いでいくことが可能となった。
『甲子園フォント』は、より多くの方の読みやすさに配慮したUD(ユニバーサルデザイン)フォントをベースとして制作している。制作にあたって、縦画が太くコントラストの高いデザイン、筆の勢いを感じさせる「はらい」や「打ち込み」といった手書きの甲子園文字の特徴を洗い出した。甲子園文字の筆書きのニュアンスを取り入れながら、太みや文字サイズなどを調整し、ビジョンに表示された際の視認性を確保した明朝体として制作された。
———-
メイキング動画はこちら
制作秘話(モリサワ公式note)はこちら
———-
■甲子園歴史館で特別展示を開催
甲子園歴史館で開催中の「センバツ企画展2025」にて、4/6(日)まで『甲子園フォント』に関する特別展示を行う。
甲子園文字の歴史や甲子園フォントプロジェクトの概要、フォント制作方法などをパネルで紹介するほか、フォント制作の基となる原図や、原図の制作道具などの展示、2024年の阪神タイガース公式戦でモリサワが開催した、甲子園フォント制作を記念した冠試合の様子などを紹介する。