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ミューラー・マルティニ ブルーノ・ミューラーCEOが来日、世界の印刷製本市場の動向、drupa出展概要を説明

ミューラー・マルティニ社のマーケティングAG CEOのブルーノ・ミューラー氏が来日し、5月10日、東京都板橋区のミューラー・マルティニ ジャパンで開かれた記者会見で、印刷・製本業を取り巻く世界の動向を説明するとともに、同社のdrupa2024の出展内容を明らかにした。

ブルーノ・ミューラーCEO

ミューラーCEOはコロナ禍が明け、世界的に生産量が減少するものの、米国の新技術への投資が活発で、欧州もそれに続いている傾向を指摘。内訳としてはアジア、ラテンアメリカ、アフリカの地域で印刷量が成長する一方、先進国では広告、書籍が安定しているものの、新聞、雑誌、カタログの減少が予測されていることを示した。

同社の主な市場では印刷物の販売量の減少に対し、1ページ当たりの価値が増加。よりターゲットを絞ったコンテンツや効率的なサプライチェーン、オンデマンドに対応した結果と分析した。日本では遅れているが、今後数年後にインクジェット印刷、とくに書籍の生産量の増加を見込み、「米国市場には遠く及ばないものの、これらの生産量の変化が市場の前進を促していくと期待している」と述べた。

書籍の市場は主要市場である中国が例外的に大量生産設備への投資活動が活発しており、米国、日本、ドイツでともに減少。そうした状況で、米国でA4ページの印刷量が減少しながら、書籍の販売量が増加しているグラフを示し、「在庫として生産される書籍量が減り、返品率が大幅に低下している」とその理由を解き明かした。その背景にあるのがオンデマンド生産の増加で、その結果、サスティナビリティにもつながる廃棄、返品、ヤレの減少につながっていると結論づけた。

新製品としてはシグマコンパクト、アンターロ、インフィニトリムを紹介。アンターロ無線綴じ機は通常4,000冊/時のバインダーとして利用できるが、2000冊/時のブックワンデジタルバインダーとして利用することができる。drupa2024ではシグマラインコンパクト、アンターロ、インフィニトリムで構成されるスマートファクトリーアプリケーションを出展。オフセット印刷、デジタル印刷の両方に対応する製本ラインで、機械を止めずに1冊からの書籍を連続して生産することができるもので、背景にコネックスワークフローで生産を管理する。

シグマラインコンパクト
アンターロ

昨年12月に買収したフンケラー社については「現在、ミューラー・マルティニグループに統合中。フンケラーはミューラー・マルティニと“親戚”のような関係で、私たちの工場からわずか数キロ離れた場所にあり、オーナー家族と従業員の間には昔から緊密な絆がある」と説明。コネックスワークフローとフンケラー製品の連携や印刷会社、製本会社とフンケラーのパートナーシップの継続に加えて、フンケラー社が持つ商業印刷や帳票印刷の事業領域を組み込むことによる新たなビジネス機会にも言及した。また、来年2月24日から27日に予定通りフンケラーイノベーションデイズも開催するとともに、drupaで中綴じ機のシステムと接続されたフンケラーの新しいソリューションを発表するという。

最後にミューラー氏は「今年、ミューラー・マルティニジャパンは創立50周年を迎える。社員の熱心な取り組みとお客様やパートナーとの緊密なパートナーがあってこその結果。厳しい日本市場からの期待に応えながら当社が足場を維持できたことを誇りに思う」と感謝の意を述べた。

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