ミヤコシ 「ミヤコシ軟包装ソリューション」実機デモ見学会、「軟包装 新時代」をテーマに3つの印刷方式実演、国内海外から100社、250名来場

株式会社ミヤコシ(本社・千葉県習志野市、宮腰亨代表取締役社長、以下ミヤコシ)は、6月20日と21日の2日間、㈱宮腰デジタルシステムズ(秋田県横手市)において、インクジェット、フレキソ、オフセットの3方式による「ミヤコシ軟包装ソリューション」実機デモ見学会を開催した。インクジェット、フレキソ、オフセットの3つの印刷方式の最新新機種を公開し,国内海外から100社、250名が来場し「軟包装 新時代」を体感した。同社はdrupa2024に続き、今回の実機見学会から受注が相次いだ。

発表会で宮腰亨社長は「ここ宮腰デジタルシステムズは1973年に操業を開始し、日本と世界市場に出荷するミヤコシのメイン工場である。本日は軟包装印刷の新時代を拓く三つの印刷方式の新製品を披露する。軟包装市場はデジタル化と小ロット対応、環境対応、生産効率の向上など様々な課題の解決が求められている。本日の実機デモ見学会はこうした軟包装市場の課題を解決するものである。drupa2024においても環境負荷の低減や生産効率の向上が課題となっていたが、生産機としての完成度を高めて軟包装印刷市場に革新をもたらしたい」と新製品への期待を述べた。実機デモ見学会では、インクジェット、フレキソ、オフセットの3つの印刷方式の新機種が公開された。

宮腰亨社長

軟包装市場を取り巻く環境に対応する新製品3機種

軟包装市場を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化している。市場の競争激化やコスト高騰、深刻さを増す労働人口の減少や技術継承問題など、従来から指摘されてきた課題に加えて、昨今では持続可能な社会の実現に向けリサイクルをはじめとした環境への配慮や、脱溶剤化に代表される労働衛生環境の改善などに注目が集まっている。

多様化する市場のパッケージニーズへの対応のためには、小ロット対応を含めた生産体制の適正化と地球環境に配慮した原材料の採用など持続可能な社会の実現に向けた変化が求められている。

ミヤコシは市場が直面する課題として「生産効率の向上と環境対応の両立」を「ミヤコシ 軟包装ソリューション」で実現した。環境負荷を軽減しながらボリュームゾーンに 合わせた生産体制として「水性インクジェット」、「水性フレキソ」、「EBオフセット」の3つの印刷方式を実機で披露した。

水性インクジェットプリンター MJP ADVANCED 30X for Film

水性インクジェットプリンターMJP ADVANCED 30X for Film

新製品の水性インクジェットプリンター MJP ADVANCED 30X for Filmは、パッケージ市場において、消費者志向の多様化と小中ロットへのニーズが顕著化しており、多彩なパッケージ絵柄デザインを活用したマーケティング戦略的価値の追求と機動性が求められている。

MJP ADVANCED 30X for Filmは、ミヤコシが自信を持って軟包装市場へ提案する新機種で、クラス最高の印刷速度80M/分の特長を実機デモで披露した。高速で中ロットまでを射程範囲に収めるコンバーターをターゲットとし、高品質でジョブサイクルを短縮するシンプルな操作を特長としている。

1,200×1,200dpiの高解像度にフルデジタルで毎分80mの高生産性を実現。インクジェットの繊細な絵柄表現力とショートラン適正に加えて、高い生産効率を実現した。またフィルムの熱伸縮による背景のホワイト版とカラー版のズレを補正する自動拡縮機能を搭載して補正を完了させ、透明窓のある絵柄デザインに対してポテンシャルを発揮する。

高濃度ホワイトを実現するダブルヘッドを搭載し、隠蔽性を高めたホワイトが最終パッケージのシェルフアピールを引き立てる。インクジェット用水性顔料インクはVOCの発生を極限まで抑えてオペレーターへの負荷を低減する。既に同機は世界の軟包装会社から数台の受注を受けている。

国内、海外から「ご成約済」が相次ぐ

CI型フレキソ印刷機「MCI 1000-W」

CI型フレキソ印刷機「MCI 1000-W」

環境負荷を低減し幅広い素材で大ロット対応を実現

フレキソ印刷機は、2022年に開発を発表したCI型フレキソ印刷機「MCI 1000-W」の完成モデルによるデモを披露した。同機は、操作性を重視したミッドサイズのフレキソ印刷機で、各印刷ユニットに加湿装置を搭載し、樹脂版上で発生しやすい「版カラミ」現象を低減することでロングラン性能を持たせた。また、印刷停止時にも印刷ユニットを単独駆動させることで、停止時に発生する「版カラミ」も抑制した。水性フレキソインキに特化した軟包装用フィルム/紙用CI型水性フレキソ印刷機で、水性インキが樹脂版の上で乾燥してしまう版カラミの課題を解決し満足のいく操作性を目指し、大~中ロットの領域でポテンシャルを発揮する国産最新機種MCI 1000-Wの実機デモを披露した。

MC-1000W印刷見本

EBオフセット印刷機「MHL13A-EB」
オフセット印刷機は、EB(電子線)照射装置をインキ硬化システムとして搭載したEBオフセット印刷機「MHL13A-EB」を披露した。同機はオフセット印刷の機動力とEB硬化システムを融合した生産効率と環境対応を両立した軟包装向けの新機種。EBオフセットインキは無溶剤であり、印刷現場の作業環境改善に寄与する。従来の油性インキと比較して、EB硬化システムはインキを乾燥させるエネルギーを低く抑えることができ、エネルギー起源のCO2排出削減に貢献する。さらにプレートを無処理版に特化することで製版工程での現像処理が不要となり、製版設備の投資を抑えることが可能となった。受注開始となるオフセット印刷機の2機種は、機動力を特長とするライン型オフセット輪転印刷機に、インキ硬化システムとしてEB電子線照射装置を搭載しており、 高い稼働率と環境対応性能で小中ロットの軟包装印刷を強力にサポートし、優れた稼働効率とランニングコストを実現した。

また製版設備の投資を抑制が可能となり、プレートを無処理版に特化することで、製版工程での現像 処理が不要となり、製版設備の投資を抑えることが可能 、製版の内製化も容易となった。

またEBトップコートを使用することで、表刷り印刷が可能となる。さらに印刷工程をラミネーションとエージング工程の後に行うことで、製品の受注からションとエージング工程の後に行うことで、製品の受注から納品までの時間を短縮することが可能となった。

EBオフセット印刷機「MHL13A-EB」
実機デモ発表会会場

関連記事

最新記事