ホリゾンとSCREEN 印刷工場のスマートファクトリー化に向けAIソリューションの共同開発に合意
株式会社ホリゾン(以下、ホリゾン)と株式会社SCREENグラフィックソリューションズ(以下、SCREEN GA)はこのほど、印刷工場のさらなるスマートファクトリー化を実現するために、人工知能(AI)を活用したソリューションを共同で開発することに合意。2022年1月以降、エンドユーザーへの導入を目指す。10月27日午後4時から滋賀県高島市にある本社びわこ工場内Horizon Innovation Park(HIP)でホリゾン堀英二郎社長、SCREENグラフィックソリューションズ柿田 高徳代表取締役 社⻑執⾏役員が発表した。
近年、印刷物において多品種・小ロット・短納期の要求が高まっており、印刷・製本工程の効率化や稼働率の向上などが大きな課題になっている。その一方で、生産現場においては装置自体や設置環境に起因するもの、印刷データ、オペレーターのスキルによるものなど、多種多様なトラブルが発生しており、生産工程の効率化を妨げる大きな要因となっている。そうしたトラブルの解決や生産性向上につながる条件設定などは、長年の経験を持つ現場スタッフにより処理されることが多く、スタッフの高齢化や後継者の育成などが問題となっていた。
業界の動向を背景に両社は、デジタル印刷機と後加工機のノウハウを学習し、オペレーションを最適化するAIエンジンの開発に向けて合意。AIやIoTなどの先進ソリューションを提供しているSCREENアドバンストシステムソリューションズと協力し、ホリゾンの「iCE LiNK」とSCREEN GAの「TRUST NetworkService」に集積される生産ラインの稼働データをAIで分析。生産ラインの条件設定の最適化やトラブル解決策の提案、操作補助などをAIが行い、オペレーターを支援することで、誰もが簡単かつ効率的にオペレーションできる生産環境の提供を目指す。
両社は今後、デジタル印刷によるスマートファクトリーの実現に向けたさまざまなソリューションを提供していくとともに、印刷工程と後加工工程を統合的に捉えた視点から技術開発を行っていくことで、より印刷業界に求められるサービスを提供する。
株式会社ホリゾン 代表取締役社長 堀 英二郎氏のコメント
これからの印刷・製本工場にはスマートファクトリー化が欠かせません。弊社ではいち早く1990年代後半から、数値情報を機器側で受けて機器を稼働させており、今回のAIによる情報解析もその具現化に向けた取り組みの一つです。数値を統計的解析し、これまで人の経験に頼っていた微調整レベルのセットアップやトラブルの未然防止などにAIを活用することで、印刷から製本まで分断なく一元的に稼働させ、管理できるシステムとして提案できると考えています。このたびの両社協業の開発が印刷業界の発展と先進性に貢献できることを心より願っています。
SCREENグラフィックソリューションズ 代表取締役 社⻑執⾏役員柿田高徳氏のコメント
デジタル時代の生産は、人・環境・工程が相互に関係しており、一社単独の取り組みではスマートファクトリー化は実現しません。中でも、生産性に直結するデジタル印刷と後加工のシームレスな連携は特に重要な取り組みの一つです。両社の持つ専門的な知見を融合し、データとAIを活用することで生産システムを進化させ、人材のダイバーシティー化、廃棄物の削減といった社会的な要請に応えるとともに、印刷業界が目指すマスカスタマイゼーションの実現を推進していきます。