ハイデルベルグ・ジャパン 錦明印刷 富士見事業部にスピードマスターCX104導入で発表会

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錦明印刷の塚田社長

ハイデルベルグ・ジャパンは、12月8日、錦明印刷の富士見事業部にスピードマスターCX104導入にともなう発表会を開催した。

なお錦明印刷に導入したCX104は、印刷機製造時に排出するCO2(158トン)をオフセットすることで環境負荷のない印刷機として稼働していることを証明するCO2ニュートラル ラベルを取得した印刷機(CO2ニュートラルマシン)として設置されている。

今回のCX104実演の後、ハイデルベルグ・ジャパンのヨルグ・バウアー社長から、CX104製造におけるCO2排出量158トンをオフセットしていることの証明書が贈呈された。

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ハイデルベルグ・ジャパンのバウアー社長(左)からCO2ニュートラルマシンであること証明した証書が塚田社長に渡された

錦明印刷では、8色機の代替えのタイミングにあたり、8色機と同等の生産性を期待してCX104を導入。導入まもなくから、12月の繁忙期と重なったということもあり、すでに本格稼働に移っている。

今回のCX104導入発表会で塚田社長は、「従来の機械との大きな違いは、MAX1万6,500回転のスピードを維持して生産している点と、オペレーションスタンドではオペレーターはインキキーを一切触らないという点です。この間、発表会のに向けて自動運転のテストを行いましたが、問題はなくできました。本日は、その様子を見て頂ければと思います。CX104は、自動運転での活用を基本に考えていますが、オペレーションが慣れるまでの間、自動運転は5割程度だと思っています。しかし慣れてくれば、7~8割の仕事が自動運転で回せるようになると予想しています」と述べた。

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錦明印刷ではCX104はオペレーターが1人で動かしている

加えて、経営的立場からみた導入メリットとして、立ち上がりから安定した品質で生産でき、自動化によりオペレーションの負担が軽減されていること。また4色機で旧来の8色機と同等の生産性を維持できることでROIも良く、環境負荷も削減できる。またメイクレディの時間も短縮化されており、常に最高スピードの1万6,500回転の安定した生産性が維持されていることで、予定組もしやすいといった点を挙げた。これにより、「自動化は属人化の排除だという。経験のあるオペレーターの経験や勘も時には必要ですが、そうした経験の数値もデジタル化されれば、”この人がいないと良いもの刷れない”といった人頼みの現場がなくなり、常に安定した品質で印刷の生産ができるのではないかと思います」と今後への期待を語った。

発表挨拶の後には、CX104によるデモンストレーションも行われ、自動運転によりカラー印刷を3ジョブ(200部/200部/300部)を連続印刷した。この間、オペレーターもインキキーをコントロールするということもなくMAX1万6,500回転で印刷され、均一した品質で生産する自動運転が披露された。

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CO2ニュートラルマシンには「CO2ニュートラル」のマークが入る

なおハイデルベルグ社では、201110月から、すべてのスピードマスターモデルにおいてカーボン(CO2)ニュートラルの印刷機を提供する活動を行っており、2012年のdrupa以降はハイデルベルグが提供するすべての機械がCO2ニュートラルマシンとして活用することができるようになっている。なお、機械製造時のCO2排出量については、ヨーロッパの研究機関であるフラウンホーファー・インスティチュートUMSICHTにより、ハイデルベルグ社が印刷機を製造するのためのCO2フットプリントをルールに従って計算していることが認証されている。

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