ハイデルベルグ・ジャパン スピードマスターCX104-7+L、箔押し機MK プロマトリックス106FC、検査装置MK ダイアナアイ55をオカハシに導入 月間生産枚数150万枚、準備時間30分、ロス率2%と生産性が飛躍的に向上

ハイデルベルグ・ジャパン株式会社はスピードマスターCX104-7+L、箔押し機MK プロマトリックス106FC、検査装置MK ダイアナアイ55をオカハシ株式会社に導入した。
オカハシは、パッケージ市場の多様化と高級化が進む中、厚紙、PP・PETシートへの印刷を手掛け、化粧品、薬品、食品など幅広いカテゴリーの商品を最新設備で一貫生産している。奈良本社工場を中心に、東京、大阪の拠点さらに中国・無鍚にもネットワークを広げ、グローバルな成長を実現している。

設備投資と多様な人材で成長を目指す

オカハシは、人材不足や作業者負担軽減という課題解決と企業ビジョンの実現を目指している。最新設備への積極的な投資を進めたことで、前準備時間の短縮や効率化の成果が数値として表れている。ハイデルベルグジャパンのスピードマスターCX104はトラブル発生率の低減と水の安定性により導入に至った。月平均340台・生産枚数150万枚、準備時間30分、ロス率2%と、生産性が飛躍的に向上。さらに、箔押し機 MKプロマトリックス106FCや検査装置 MKダイアナアイ55といった、ハイデルベルグのグローバルパートナーである中国のMKマスターワーク社製の設備も導入した。

「検査装置 ダイアナアイ55」前で 岡橋美樹男社長(右)藤川正祐工場長(左)

製版から出荷まで一貫生産を行うオカハシは検査工程を重視し、検査装置を増設。これにより、大ロット製品の品質管理を効率化し、今後は目視検査の割合を減らし、自動化を進める計画を推進している。成果が表れている一方で、オカハシの岡橋社長は、「社員が仕事を楽しみ、幸せに働けているのか」を大切にしている。特に検査装置については、将来的に検査要員の人材不足が予想されるため、機械オペレータや印刷オペレータとして、女性を積極的に採用する考えを示している。実際に2024年8月には、女性が主体となって運営する、女性だけの工場を稼働した。

クライアント対応力を強化するカラーマネジメント

これまでは作業者のスキルや経験に頼って行われていた色合わせを数値管理によって効率化し、色の安定性を向上させることを目指していた。しかし昨年度からハイデルベルグの協力のもと、カラーマネジメントに取り組み、既存機のスピードマスターでは基準の濃度をほぼ確立している。
現在は、スピードマスターCX104にも展開するために、基準値や濃度の確認、ドットゲインの調整を進めている。インプレスコントロールを活用したカラーマネジメントの導入により、従来苦労していたプロセス4色印刷の色の安定性が格段に向上し、ロス率の軽減や最終工程での検査負担軽減に大きく貢献している。

「スピードマスターCX104-7+L」

岡橋社長は、今後パッケージ業界でも特色を4色に置き換える流れは加速すると予測している。「特色での色合わせはもちろん、4色で同じ色を再現する体制を構築することで、クライアントへの対応力を強化できます。これを実現するにはカラーマネジメントが不可欠です」と述べ、今後はパッケージ分野で難しいとされる特色の再現を、プリネクトマルチカラーを活用して実現する取り組みも視野に入れている。

関連記事

最新記事