ハイデルベルグ・ジャパン オープンハウス”Push to Stop end to end 2022”、エキスパートに課題解決を聞く3日間が開幕、10月20日まで

ハイデルベルグ・ジャパン株式会社は、10月18日、東京都品川区にある本社東京カスタマーセンターにおいて、「オープンハウス Push to Stop end to end 2022 」を開幕した。同イベントは、20日まで開催している。
テーマは「Game change、End to end、Sustainability」。メインデモンストレーションとして「Meet our experts」を掲げ、各ジャンルのエキスパートにリアルに聞くことができる3日間となっている。

オープンハウスを通じて、DXを求められる今、成功するために必要な新しい考え方、働き方を多様な装置とソフトウェアで提案する内容となっている。なお、ハイデルベルグのユーザーであり、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の理解促進に取り組んでいる愛知県の竹田印刷株式会社の全面協力を得て、オープンハウスで生産する印刷物のコンテンツに障がい者アートを採用し、デモンストレーションの印刷サンプルとして配布している。

18日の初日、10時の開幕と同時に、ヨルグ・バウアー社長が登壇。DXを進めるために考え方、働き方改革などが必要となっており、「そのためのヒントを持って帰って頂きたい。ハイデルベルグは皆さまの成功のためのサポートをしていきます」と挨拶した。
バウアー氏の挨拶の後、オープンハウ全体について解説があり、現在、ハイデルベルグがDXを成功させるためのポイントとして、①ゲームチェンジ、②End to End、③サスティナビリティ、の3つを掲げており、中でも今回は「End to End」に着目した内容をメインとしていることが紹介された。

今回のオープンハウスは、10月18日の午前の部(10:00~) と午後の部(15:00~)ともに商業印刷について、19日は午前の部が商業印刷、午後の部はパッケージ印刷、20日は午前の部 ・午後の部ともにパッケージ印刷の内容で開催。また3日間とも17時30分からオクトーバーフェスト(懇親会) を開催するという内容で構成している。

18日午前の部(商業印刷)では、全判6色機スピードマスターXL106と、半裁4色機スピードマスターCX75、およびデジタル印刷機のバーサファイアEV/EPの4台の出力機を1人のオペレーターで稼働させるというデモンストレーションからスタート。オフセット印刷機とデジタル印刷機の操作や品質管理も含めて自動化を図り、属人性を排除する生産工程のあり方を提案した。システムが人の作業をサポートするのではなく、”人しかできない作業を人がサポートする”という考え方を提唱した。
色管理についても、新しいマルチカラー分解システムを採用した特色からマルチカラーへ切り替えや、生産機としてのPODおよび付加価値を与える生産を可能とするPODなども事例とともに提案した。

開幕の挨拶を行うヨルグ・バウアー社長
「Meet our experts」を掲げ、エキスパートがソリューションを提案する3日間
冒頭は竹田印刷から提供されたコンテンツを使って1人で4台の出力機を操作するデモが行われた
断裁機も自動化して熟練オペレーター以外も操作できる環境に

印刷の後加工(ポストプレス)の分野では、断裁機のポーラーPACE自動断裁システムを紹介。ジョガーから断裁までの作業を自動化したことで、断裁作業で必要な作業全体の6割が自動化できる。また、断裁機に搭載されているコンピュカットにより熟練者でなくても断裁作業が可能になるといったことが可能になるとし、実際に入社から2年目の人材が断裁作業を行っている企業もあることが報告された。
また折り機スタールフォルダーBH56 のデモンストレーションでは、折り目に沿ってパラパラと開き続けることのできるフラッパー折り加工の製造も紹介した。その他に、注目を集めている紙製ファイルについても、加工した後に表面へPODなどで印刷する、従来のファイルとは異なる製造ラインにより、柔軟で付加価値の高い商材づくりが可能になると紹介した。

折り機でフラッパー折りを実演
生産機としてのPODと付加価値を生むPODの2つのポイントで紹介

またDXを進めるうえで、ソフトウエアの重要性についても紹介。特に今回は、新製品の「H+(エイチプラス)」や「パントーンマネージャー」なども提案した。「H+」は印刷会社のスタッフひとり一人にIDを発行して必要なツールを繋ぐプラットフォーム。ゆくゆくは様々なアプリケーションを包括していく予定だが、その第1弾として来春「Insight」をリリースする予定。同アプリは、KPI(重要業績評価指標)を把握するためのツールとなるもので、各システムの作業の現状が一目でわかるように、システムそれぞれの稼働データから、問題となる部分を分かりやすく表示する。

なおその他に、打ち抜き機のプロマトリックス106 CS、フォルダーグルア ダイアナアイ イージー、品質検査装置ダイアナアイなども実機を展示。印刷工場内の6つのシステムを統合するための仕組みや、印刷会社のOEEを向上させるためのコンサルタントサービス、必要な時に必要なだけの印刷資材を管理するサフィラなども含め、End to End を実現するための全てのサービスが紹介された。

個人と各ルーツをつなく「H+」
印刷機や後加工機など、複数のシステムを統合することも可能に
印刷会社のOEEを向上させるためのコンサルタントも受け付ける
打ち抜き機のプロマトリックス106
フォルダーグルアー ダイアナイージー
品質検査装置ダイアナアイ


会場は、①現場の働き方が変わらない、②どうすれば統合できる?、③機械の突発停止が増えている?、④潜在能力、見えていますか?、⑤プリプレスは複雑でわからない?、⑥現場で今起きている事わかります?、⑦旧態依然の資材・管理でムダが多い?、⑧パッケージ後加工のデジタル化は不可能?、⑨断裁工程の改善は難しい?、⑩折工程の省力化は難しい?、⑪印刷の生産効率改善は難しい?、⑫印刷業は、SDGsに貢献できない?、⑬PODがまわらない?、の各課題から最適なソリューションを紹介する内容となっている。

20日まで開催されている「オープンハウス Push to Stop end to end 2022 」の詳細は、 専用サイト から確認できる。

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