ハイデルベルグ LOPEC国際見本市の自動車部門でプリンテッドエレクトロニクスを発表
ハイデルベルグ社は、3月22日から24日までドイツ・ミュンヘンで開催されるオーガニック&プリント・エレクトロニクス産業国際見本市 LOPECにて、自動車業界向けの革新的なアプリケーションとして、ハイデルベルグに拠点を置くInnovationLab社と共同で、3月末にバッテリーモニタリング用のプリンテッドセンサーとレカロ社のカーシートを発表する。
ハイデルベルグは、成長市場であるプリンテッドエレクトロニクスの産業開発、製造および販売のための独自のビジネス部門を既に設立しており、ウィスロッホ-ヴァルドルフ工場でも生産が確立している。将来的には、特にヘルスケア、ロジスティクス、小売、自動車産業のデジタルアプリケーション用の電子部品とセンサーが最先端の印刷テクノロジーを使用して、ウィスロッホ-ヴァルドルフ工場で生産される予定である。
「プリンテッドエレクトロニクスの、特にセンサーの市場はハイデルベルグにとって将来性のある分野です」とハイデルベルグの最高経営責任者ライナー・フンツドルファーは述べており、「自動車業界向けに提案したこのソリューションは、私たちがこの分野におけるビジネスをさらに拡大するチャンスとなるものです。ハイテクセンサーの生産を担う企業として1,000万~1億ユーロの成長の機会を見込んでいます」としている。
レカロオートモーティブ社で開発されたカーシートを使い、LOPEC来場者は圧力センサーフォイルがどのように乗員を検出し、他の物体と区別できるかを見ることができる。
獲得した情報は、チャイルドシートを設置した際のシートベルト着用のリマインダーやエアバッグ無効化など、ドライバー支援および安全システムに使用できる。展示されるセンサーマトリックスは、乗客がどの座席位置を占めているかを判断することも可能。これは、ドライバーの座席位置が変化する部分的もしくは完全自動運転において安全システムを起動するために特に重要である。
見本市では、革新的なバッテリーモニタリングソリューションも紹介。
印刷された超薄型圧力および温度センサーは、個々のバッテリーセルから空間的に分解されたデータをキャプチャすることができ、バッテリーの寿命を最大40%延長することができる。印刷されたセンサーフォイルは非常に薄型のため、個々のバッテリーセルの間に収容可能で、詳細な圧力および温度データをキャプチャするのに十分な薄さ。これらのセルレベルの情報は、バッテリーの状態とパフォーマンスに関する貴重な観察結果を提供し、研究開発チームがバッテリーの設計の向上や、電気自動車の航続距離を拡大するのに役立つ。
「センサー搭載の機能フィルムの工業生産により、ハイデルベルグはデジタルビジネスモデルの新たな分野を切り拓いています。フォイルの平方メートル毎に圧力、温度、または湿度の最小の変化を記録するセンサーが最大100万個装備されています。このようにして獲得したデータは、AIアルゴリズムを使用して処理され、測定変数を超えた情報品質を提供します」とハイデルベルグプリンテッドエレクトロニクス社マネージングディレクター ミヒャエル・クローガー氏は語っている。さらに、「このプロセスでは、すべての伝導性トラック、センサー、デジタルエンドデバイスへのインターフェイスを含むセンサーテクノロジーが、ワンパスで印刷されます」と述べている。