ハイデルベルグ 文化堂印刷が中国・チンプー工場製スピードマスターCD102-6+Lの日本1号機導入
ハイデルベルグジャパンは、中国・チンプー工場製スピードマスターCD102の日本第1号機が、神奈川県小田原市の文化堂印刷㈱に導入されたことに伴う記者懇談会を、7月19日、文化堂印刷小田原工場で開催した。
文化堂印刷は、B縦輪転印刷機5台を含む輪転機7台と、多様化するニーズに対応する生産機として活躍している枚葉印刷機5台を生産の主力としながらも、プリプレスからポストプレスまで一貫した生産体制で印刷物の製造を行っている。生産される印刷物は、チラシや広報誌、パンフレット、図録、オリジナルカレンダーなど多様で、中でも高精細な印刷技術に定評があり、プロカメラマンの写真集の制作なども多数手掛けている。
今回の「スピードマスターCD102-6+L UV」の導入は、同社が2001年に導入したUV印刷機1号機の老朽化に伴う代替えと、多様化が進む市場ニーズへの対応を目的としたもの。これによりUV印刷機が3台体制となり、パッケージやPOPなど紙厚や素材に左右されない生産環境の整備がさらに進んだ。
国内第1号となるチンプー工場製CD102導入にあたっては、チンプー工場にも見学。ドイツのウィッスロッホ工場と同等の生産体制と、他よりも短納期での印刷機の納品が可能だったことから決定したという。
文化堂印刷の専務取締役・中西一人氏は、「社内に同等レベルのハイデルのUV印刷機3台が稼働する環境となり、印刷スケジュールのやり繰りがスムーズになった。今後は紙厚への対応力が戦力になると思っている。紙器制作の会社と業務提携をした良いタイミングでもあり、新しい印刷機の導入で社内の士気も上がり、それにより品質も向上すると思う」と、スピードマスターCD-102の導入効果への期待を語っている。
同じく専務取締役の渡邊英幸氏は、「今年で70期を迎える。”輪転機の文化堂”というイメージが強いかもしれないが、その一方で、枚葉印刷機による高精細印刷に関しても約30年取り組んでいる。市場が変化しつつあり、パッケージの仕事も増えつつある。枚葉印刷の仕事の拡充を目指している。今、市場拡大のチャンスがあると思っている。ハイデルの特性を生かせる仕事を受注していきたい」と述べている。
なお中国・上海にあるハイデルベルグのチンプー工場は、東京ドーム2個分の広さの中に、スピードマスターCD102など枚葉機の組み立てラインのほか、プリントメディアセンター及びトレーニングセンターなども兼ね備えた工場。ハイデルベルグの生産ネットワークにより、部品は全てドイツから送られてきたものから組み立てられている。