ハイデルベルグ 印刷会社向け省エネキャンペーンを開始
ハイデルベルグは、印刷会社のエネルギー効率を大幅に高め、同時にコストを削減する方法について、専門家からの情報、アドバイス、ヒントをご紹介する印刷会社向けのキャンペーンを開始したことを発表した。今後、数ヶ月間にわたり、いくつかの主要な問題に焦点を当て、キャンペーンを展開する予定としている。
今回の背景として、1997年の京都議定書で、2020年までに工業プロセスの効率を1990年比で少なくとも20%向上させることが定められた。加えて今日、社会全体がより持続可能性を求める傾向にあり、積極的な気候保護目標や現在のエネルギー危機により印刷メディア業界は生産プロセス全体のエネルギー効率をさらに高め、それを迅速に実行するように求められている、などの社会的動向がある。
ハイデルベルグのCEOであるルードウィン・モンツ博士は、「持続可能性とエネルギー効率というテーマは、印刷メディア業界のサプライヤーにとって重要な競争およびコスト要因となっており、それは我々のお客様やハイデルベルグにとっても同様です」と述べている。また「ハイデルベルグは、お客様とともに、業界をリードする役割を、エネルギー効率にも広げていくことを目指しています。ハイデルベルグの技術およびデータに関する専門知識により、エネルギー効率の高い生産を実現するための魅力的な選択肢をお客様に提供し、包括的なアドバイスやコンサルティングを行うことができます。気候保護目標を達成するためには、私たち全員がこれらの問題に取り組む必要があるのです」としている。
スピードマスターXL106 – エネルギー効率を標準装備
キャンペーンの開始にあたり、ハイデルベルグはスピードマスター XL106 のエネルギー効率を紹介している。例えば、1990年のスピードマスターCD102-6+Lと、現在のスピードマスターXL106-6+Lを比較すると、1000枚あたりのエネルギー消費量が 13.8kWh から 8kWh へと、40%削減されていることが分かる。この成果は、システム全体にわたるさまざまな革新と改善によるもの。
印刷会社は、最新鋭の設備に投資するだけでなく、設備の使い方を最適化することで、エネルギー効率をさらに高めることができます。これは、高速で走行するほどエネルギーを消費する自動車と印刷機の大きな違いの原則である 。印刷機では、基本的な動作に必要なエネルギー消費量が決まっている。それ以上のエネルギー消費は印刷速度の上昇に伴って増加するが、基本的なエネルギー消費を印刷枚数でカバーできるため、全体のエネルギー効率は向上する。
つまり、印刷機が最も効率的なのは、1つのジョブを最高速度で印刷し、そのジョブを終えたらすぐに 次のジョブを開始するか、他に印刷するものがなければスタンバイモードに切替える時となる。
「印刷工場のエネルギー効率に関しては、使用する機器も重要ですが、その機器を可能な限り最善の方法で運用することも同じくらい重要です。この点 において 、企業は大きな変化をもたらすことができるのです」と語るハイデルベルグ の ESG 責任者であるエヴァ・ボル博士は、「ハイデルベル グ のエネルギー効率向上キャンペーンは、まさにこの点において、既存の潜在能力を十分に活用するための基盤を提供するものです 」と述べている。
エネルギー測定器付きスピードマスターXL106
まずはドイツ 国内限定については、2023年4月からスピードマスター XL106は、エネルギー測定器を標準装備する予定である。これにより、ユーザーは印刷機のエネルギー消費量を恒久的にモニターできるようになる(測定単位:1,000kWh)。
また1,000枚あたりのキロワット時をコントロールステーションから常時監視することができるようになる。この表示により、オペレーターはエネルギー効率の良い方法、つまり最高速度で印刷機を稼働させることができる。このように、さまざまなエネルギー効率化対策は、印刷会社の産業プロセスに 関連する CO2 排出量の削減にも役立っている。
キャンペーンの2つ目の テーマでは、省エネ生産を可能にするスピードマスターの周辺機器による省資源化の可能性を紹介する。続く「メンテナンス」では、定期的なメンテナンスを行うことで、機械システムの省資源化やエネルギー収支の改善が可能であることを紹介している。ハイデルベルグでは、このキャンペーンの一環として、お客様と一緒に 印刷会社における省エネの可能性を探り、それを実現するためのコンサルティングサービスを提供している。