トッパン・フォームズ デジタル庁の「引越しワンストップサービス」の実現に向け、オンライン手続きの実証実験

トッパン・フォームズは、、デジタル庁が掲げる政策「2. 国民目線のUI・UX の改善と国民向けサービスの実現」に向けた取り組みの一つである『引越しワンストップサービス』の実サービス化を想定し、引越しに伴い発生する各種手続き
のオンライン化に関する独自実証実験を実施した。
「引越しワンストップサービス」は、引越しに伴う電気・ガス・水道などのライフライン系から金融機関、自治体への転出・転入などに関わる手続きまでをオンラインかつワンストップで完結させるサービスの実現を目指したもの。デジタル庁が推進する取り組みで、官民共同での検討・実証が進められている。

今回の実証実証では、公的個人認証サービスを活用した本人確認を行った上で、同社が提供する共通手続きプラットフォーム「AIRPOST(エアポスト)」や、ポータル事業者が提供する各種サービスなどを組み合わせたスキームにより、引越しに伴い発生する一連の手続きのワンストップ化および各種手続きに必要な情報連携の実現可能性を評価する。それとともに、生活者の手続き負荷の低減やUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上につなげるための意見収集を行った。

なお同実証実験は、上記のデジタル庁の取り組みと連携しつつ、横須賀市、神戸市、姫路市、三菱UFJ 銀行、野村證券、ウェブクルー、NTT データの官民7者協力のもとで実施している。

引越しワンストップサービス 実証スキーム(イメージ)
実証スキーム(イメージ

同実証実験では、電気・ガスなどのライフライン関連の手続きから、転出届・転入予約などの行政手続き、金融機関への住所変更手続きまでを、一連の流れで完結させるためのテスト環境を準備。同社の社員モニター30 名がテスト環境を利用してスマートフォンでの一連の手続きを疑似体験した上で、ユーザビリティーや手続きに伴う生活者体験、サービス価値についての評価および意見収集をすることで、利用時のUX を検証している。

また、実証に協力する各自治体・事業者にテストデータを連携することで本スキームの実現可能性を机上検証にて評価している。

その結果、モニターからは、「 複数の金融機関にまとめて住所変更ができるのは便利」「 オンライン手続きの進捗状況に合わせてメッセージが届くことは有効だと思う」「 自治体窓口で対面手続きをする場合と比較すると、手続き漏れがないか不安」「 AIRPOST やマイナンバーカードの利用に対するセキュリティ面などへの不安」「 複数のサービスにまたがって手続きをするため、その動線や案内方法に対して課題を感じる」などの感想が寄せられた。

一方の協力自治体・事業者からの評価および意見としては、「より多くの生活者が利用するためには、対応している受け手事業者を増やすことが重要」「世帯で転出手続きをオンラインで完結させるためには、特に世帯員、世帯主に関する情報が必要」「プッシュ通知は、生活者にとって日常的に利用しているツールやチャネルであることが望ましい」「保有する金融商品の種類によっては契約管理や法令等の観点からオンライン完結が難しい場合があり、業界全体の事務手続き標準化等もあわせて検討が必要」などが寄せられている。

これを受けてトッパンフォームズは、「引越しワンストップサービス」の実サービス化に向け、本実証の結果やそこから出た課題、ユーザーからの評価・意見などを集積し、参画自治体・事業者と共同で協議・検討を進め、デジタル庁への提言を行っていく。またプラットフォームのさらなる機能追加やセキュリティの向上などに継続して取り組んでいくとしている。

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