コニカミノルタ トナー生産の辰野工場爆発事故に関する調査結果と対策を報告
コニカミノルタは、8月12日に発生したコニカミノルタサプライズ辰野工場の爆発事故について、近隣住民に向け、10月16日~17日に住民説明会を行い、原因、再発防止策と安全確認について説明した。加えて、10月18日、報道向けオンライン説明会を行い、原因、再発防止策、安全確認について説明した。
近隣住民に向けた説明会においては、住民に向けてた説明会と地域代表者への説明会を行い、延べ約60人が参加者。安全対策を求める声のほか、様々な意見が寄せられたと報告した。
なお18日に行ったオンライン説明会には、コニカミノルタの専務執行役 情報機器事業管掌 大幸 利充氏、上席執行役員 生産・調達本部長 伊藤孝司氏、上席執行役員 危機管理担当 松枝哲也氏と、コニカミノルタサプライズの代表取締役社長 いばら木 正史氏が出席し、事故の原因についてと、これまでの経過報告や今後の対策などを説明した。
報告によると、今回のコニカミノルタサプライズ⾠野⼯場における7⽉6⽇および8⽉12 ⽇に発⽣した2度の爆発事故は、いずれもトナー⽣産の⼆次乾燥⼯程で発⽣する静電気が粉じん爆発の原因と特定した。
2度にわたる爆発事故が起きた経過として、1度⽬の事故調査で、⼆次乾燥⼯程のフィルターの⼀部に静電気が溜まったことを特定。この原因を排除するために、全てのフィルターを交換し、静電気を逃がすアースの清掃の対策を実施した。しかしながら、2度⽬の事故が発⽣。
そこでさらに調査・分析体制を強化。運転時のフィルター動作解析、事故を起こしたトナー品種の調査、運転条件の比較検証などまで調査範囲を拡⼤し、1度⽬を含めた再調査を⾏った結果、静電気が発⽣しやすくなる要因および粉じん濃度が⾼くなる要因を新たに特性した。それが、静電気が発生しやすくなる要因である①運転時のアース状態、加えて粉じん濃度が高くなる要因として②トナー品種による違い、③設備の運転状態、の3つである。これらの要因は単独では粉じん爆発を起こさないものの、要因が複合することで粉じん爆発が発⽣したと判断したとしている。
今後の対策として、⼆次乾燥⼯程は安全性を向上させなければ使⽤できないと判断し、同⼯程を⽤いない新⽣産⼯程の導⼊を決定した。また新生産方法の全工程は、安全であることを再稼働前に改めて確認し、稼働後も定期的に確認すること、従来の粉じん爆発を防止する安全教育を強化し、全従業員に対して実施するとした。
なお新たな⽣産⼯程を導⼊において、⼤量のデータ収集・分析などもあり時間を要したが、原因究明と対策の検証にグループ全体で全⼒を挙げ、コニカミノルタサプライズ甲府⼯場の⽣産を10 ⽉18 ⽇に再開。引き続き、安全再開に向けて総⼒を結集し、⾠野⼯場は11 ⽉8⽇を⽬途で再開する予定。
報告会では、事故後のトナー供給についての説明もあった。それによると、一部新規トナーの受注を止めているところもあり、「お客様には代替えなどで対応して頂いた」ということもあったが、甲府工場の生産スタートにより、すぐにもフル生産体制へ移行すると報告。この間、在庫による対応なども進めており、今後はさらに在庫量の充足にも努めるとしている。
さらには、今後の緊急時の対応策について、これまで自社生産で進めてきたトナー供給について、他社との生産連携なども考慮した万全の対策を考えていきたいと方針を述べた。