カーボン・オフセット大賞 日本WPAが優秀賞、大川印刷が奨励賞
12月7日、東京ビッグサイトで開催されている「エコプロ2017」会場で、第7回カーボン・オフセット大賞表彰式が行われた。印刷産業からは、優秀賞に(一社)日本WPAが、また奨励賞に㈱大川印刷がそれぞれ入賞した。
同賞は、環境省、 経済産業省、 農林水産省の後援により、低炭素社会の実現に向けて優れたカーボン・オフセットの取組を行う団体を表彰し、奨励すると共に、具体的な取組事例の紹介を通じて、カーボン・オフセットの意義と取組への理解が社会全体に広く浸透することを目的として行われている。
今回は、環境大臣賞、経済産業大臣賞、農林水産大臣賞がそれぞれ1団体・組織と、優秀賞が3団体・組織、奨励賞を6団体・組織が受賞。
日本WPAは、水なし印刷に係るCO2を削減するカーボンオフセットに関する活動が評価されて受賞した。また大川印刷は、印刷事業に係る全CO2排出量を削減する活動が評価された。
表彰式にあたり登壇したカーボン・オフセット推進ネットワーク代表理事団体の長谷川泉氏(㈱ローソン事業サポート本部 環境・社会共生マネージャー)は、「低炭素社会構築に向けた活動の重要性について理解してもらい、普及拡大のための優れた活動を表彰している。人々の生活を豊かにするもの、地域ぐるみの取り組み、多様性のあるものなど見受けられた。今後も継続して頂きたい」とお祝いを述べた。
日本WPA の田畠久義会長は、この度のカーボン・オフセット大賞「優秀賞」受賞に対して、
「エコプロ2017の会場で第7回カーボン・オフセット大賞「優秀賞」を受賞しました。これも日本WPA会員企業各社のカーボン・オフセット事業へのご理解とご協力の賜物と、深く感謝申し上げます。
日本WPAでは、2009年から印刷物のCO2排出量を算出し、その排出量相当分をオフセットする事業を始めました。参加会員企業は32社で、2017年12月現在、累計で5,300トンを超えるカーボン・オフセットを実施でき、中小印刷企業を中心とした一団体としては、業界に先駆け、かなりインパクトのある環境負荷の低減をはかれたのではないかと自負しております。
日本WPAによるカーボン・オフセットは、単に環境負荷の低減に留まらず、それを表示する印刷物の受注、ひいては利用企業の売上向上につながり、更にオフセット資金の相対先である国内の地方経済の活性化へと結びついています。
今後とも6,000トン、7,000トンを目指し、ますます環境負荷の低減、地球温暖化防止への貢献を進めるとともに、会員各社の事業の発展と地方経済の活性化へとつなげていきたいと思います」と、している。
なお、環境大臣賞は佐川急便㈱、経済産業大臣賞が㈱オートスナック、農林水産大臣賞が横手市・森林組合森林吸収共同プロジェクト推進協議会が受賞している。
表彰式が行われたエコプロダクツは、12月9日まで開催。会場では様々な企業の様々な取り組みが紹介された。中でも、SDGs(持続可能な開発目標)の大きな17の目標に沿った活動が環境活動の中心となっていることが見られた。会場には世界銀行も出展しているなど、金融機関では企業の評価基準としてSDGsへの取り組みが認識されつつあること、経団連でも11月に改訂した企業行動憲章にSDGsを盛り込まれているなど、企業活動の新たな指標となっていきている。