インタビュー シタラフェア2018開催へテーマはForm;フォルム≪構成≫かたちが心に浮ぶ
設楽印刷機材は5月11日(金)、12日(土)の両日、群馬県高崎市のビエント高崎ビッグキューブで『シタラフェア2018』を開催する。『Form;フォルム≪構成≫かたちが心に浮ぶ』をテーマに開催される今回のシタラフェアは印刷関連の情報処理技術、特殊印刷・加工、PODなどの印刷関連の最新機器・情報やビジネスアイデア、人材確保・育成の事例まで幅広い視点で機資材、ソフトウェア、サービスなどを紹介する。会期中はビジネストレンドや組織論のセミナーも併催される。シタラフェア2018に込めた想いについて、同社の設楽誠一社長に伺った。
Form;フォルム≪構成≫かたちが心に浮ぶ
設楽誠一社長インタビュー
シタラフェア2018のテーマは『Form;フォルム≪構成≫かたちが心に浮ぶ』です。AI(人工知能)やビッグデータがインフラになりつつある中で、日本が抱える少子高齢化問題は印刷需要と経済・産業の低迷が危惧されます。こうした状況下で、それらの情報を敏感に精査し、チャンスに変えるアイデアを構成する力を持ち、具現化していくことが必要になっています。色々な構成を組み合わせた成功例を知ってもらいたい。
今回のテーマである『Form;フォルム≪構成≫』には、表現する言葉や人の心を作り上げ、友情を結ぶという意味を込めました。シタラフェアが一貫して追求しているのは印刷業界が活躍する幅広いフィールドです。従来から培ってきた技術力に加えて、新分野のビジネスをどう広げていくのか。人材確保・人材育成の事例まで含めて、広い視野から私たちの考える印刷ビジネスのカタチを見ていただきます。
今、印刷業は何が求められているのか、お客様に対して何を打ち出さなければならないのかという、“問い”の過度期にあると考えます。これまでの延長にある地域密着のエリアビジネスも大切ですが、地域はこれまで以上に早く変化しています。当然、地域の印刷会社の役割も変わってきます。それを予測して変化していかなければなりません。
ビッグデータを分析するというAI時代は人間の役割が変わってきます。その判断材料となる素材を構成するフォルムを考えることがAIの時代を生き抜くことに繋がるのではないでしょうか。
人手不足が深刻な問題となる中、建築現場や介護現場、そして印刷業界でも労働力の確保が経営課題となっています。シタラフェアでは、労働力確保としてIT技術者や人材派遣、外国人実習生などの人材を紹介します。当社は2017年11月に厚生労働省から職業斡旋業者の指定を受けました。AIやIoTを活用した自動化が生産現場でも取り入れていますが、前提として機械を扱う外国人が順応できる労働環境づくりが必要です。外国人が使えるAIやIoTの環境を整えることが生産現場におけるモノづくりの『Form;フォルム≪構成≫』でもあります。
会場では今回ドローンを飛ばします。静止画や印刷は平面のメディアですが、ドローンを印刷会社が取り入れることによって新しいサービス展開が可能になります。例えば会社案内の製作でドローンによる空撮を取り入れたサービスがあります。空から社屋を撮影し、その画像を会社案内に掲載できるというのは差別化の一つになるのではないでしょうか。
ドローンは印刷にプラスアルファの価値を提供します。空撮が印刷需要を掘り起こし、新しいビジネスを取り込むきかっけとなります。ドローンは様々な業界がビジネスを仕掛けてくるでしょうが、その時に対応するヒントをシタラフェアで提供出来ればと思います。
今回のシタラフェアではポストプレス機器の新製品を発表します。PODから後工程まで完結することはビジネスの成功させるために重要な課題となってきました。印刷ビジネスは入口から出口まで一括管理し、納期までコントロール出来ないと仕事が取れません。ポストプレス機器は『Form;;フォルム≪構成≫』の中で最も重要で、効果が期待できます。
私たちの役割は、紙の積み下ろしから納品までシステム全体をコーディネートすることです。これまでも外国製品の輸入販売で大きな実績を挙げてきました。イタリア、英国、台湾、中国などのメーカーと取引し、埼玉県鶴ヶ島市にポストプレス専用のトレーニングセンターも設置しました。PODとインライン化したポストプレス製品は設楽印刷機材のデジタル印刷ブランド「Clever」(クレバー)シリーズとして発表します。
印刷会社はビジネスを拡大する絶好のチャンスを迎えています。外国人観光客の市場規模は、消費や宿泊など数兆円の産業となっています。ネット通販やコンビニは消費生活を変えています。印刷会社もこうした市場動向の影響を受けざるを得ません。シール、ラベル、シルクスクリーンは成長市場と期待されています。これからはクライアントが求める印刷環境を整え、クライアントに近い位置の印刷会社が存続できると思います。
困りごとの解決から新しいビジネスチャンスは生まれます。シタラフェアではこうした市場を深く掘り下げる商材を展示します。お客様目線で考えた需要を印刷会社が獲得するためにポストプレスまで含めた一貫生産システムを提案します。
シタラフェアは自己主張を出来る環境を作っていきたいと考えています。当社が開発したデジタル印刷機「CleverPress」(クレバープレス)が誕生してから来年で20周年となります。トナーからインクジェットの時代に入りました。お客様の生の声を聴き、シタラフェアは印刷の新しいフィールドを開拓すべく全力投入して参ります。