アドビ 「契約や税務関連書類の取り扱いに関する調査」結果、約７割が内容を理解せずに契約を結んだ経験アリ 生成AI機能「Acrobat AIアシスタント」の契約インテリジェンス強化で契約書の重要ポイントを瞬時に把握
アドビは、Adobe Acrobatに搭載されている生成AI機能「Acrobat AIアシスタント」の契約インテリジェンスを強化したことを発表した。この新機能により、ユーザーは契約書などの複雑な文書の内容をより簡単に理解し、複数文書の比較や照合を効率的に行うことができる。
契約書の重要ポイントを瞬時に把握 契約インテリジェンスの強化
主な特徴として、まず「契約インテリジェンスの強化」が挙げられる。Acrobat AIアシスタントは、スキャンした文書を含め、自動的に契約書を認識し、その概要を生成する機能を搭載。さらに、ユーザーはワンクリックで重要な条項を抽出でき、複雑な契約書に特化した質問を推奨する。これにより、ユーザーは契約書の重要ポイントを瞬時に把握することが可能となる。
正確で安全な情報 回答の引用元を表示
「回答の引用元を表示」する機能により、生成された要約や回答には引用元が明記され、回答の正確性を確認しながら安心して利用することができるようになる。
相違点を簡単に特定 文書の比較や照合
「文書の比較や照合」機能では、最大10件の契約書を比較し、バージョン間の違いを迅速に確認できるほか、内容の整合性を把握し、相違点を簡単に特定することが可能となる。
「契約や税務関連書類の取り扱いに関する調査」
同社は2025年１月６日から12日まで、インターネットにて一般消費者1,007人と中小企業経営者250人を対象に、「契約や税務関連書類の取り扱いに関する調査」を実施した。この調査の結果、消費者の半数以上（52%）が契約書の内容を正確に理解せずに契約を結んだ経験があり、約７割（69%）が契約書が長すぎることを理由に十分に読まずに署名していることが明らかになった。
▶消費者による回答
契約書の内容を正確に理解せずに、契約を結んだ経験がある 52％
契約書を十分に読まずに署名する理由として「契約書が長すぎる」 69％
契約書に署名した後で、その内容に驚いた経験がある 55％
契約の際にAIの支援を受けることで契約内容の理解に自信が持てる 82％
▶税の申告準備について 中小企業経営者の回答
「複雑な税法や規則の理解」、「紙の書類の整理」が非常に困難と感じている 約半数
AIを使用する際、「データの正確性やセキュリティ」を懸念 約半数
AIを活用したことがある ６％
▶まとめ
消費者の約８割（82%）が、AIの支援を受けることで契約内容の理解に自信が持てると回答している。
中小企業経営者の調査結果では、約半数が税の申告準備における「複雑な税法や規則の理解」や「紙の書類の整理」を困難に感じていることが明らかになった。さらに、税の申告準備にAIを活用したことがある企業はわずか６%であり、データの正確性やセキュリティに懸念を抱えている経営者も半数以上に上る。
契約インテリジェンスにより強化された「Acrobat AIアシスタント」を活用することで、複雑な文書を処理するプロセスが簡潔かつ透明性の高いものとなり、消費者や企業は従来の契約や経理業務に関する課題を解消する。
